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圄
「圄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
圄の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女の決闘」より 著者:太宰治
王国の首府サンチャゴに、千六百四十七年の大地震|将《まさ》に起らんとするおり、囹
圄《れいぎょ》の柱に倚《よ》りて立てる一少年あり。名をゼロニモ・ルジエラと云いて....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
屋《あいおく》のうちに禁錮せられ、飲食、休息、睡眠すべて困難なり。我らは、この囹
圄《れいご》より脱する能わず。泣かんか、愚人のごとし。笑わんか、悪漢のごとし。嗚....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
此世に於て迫害らるる者は彼世に於て賞誉らる、「或人は嬉笑をうけ、鞭打れ、縲絏と囹
圄の苦を受け、石にて撃れ、鋸にてひかれ、火にて焚れ、刃にて殺され、棉羊と山羊の皮....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
便さとともに、自分の金を懐ろにし自分の時間と世界をもつことができた。狭い楽しい囹
圄から広い寂しい世間への解放され、感傷の重荷を一身に背負うと同時に、自身の生活に....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
は、忽ち怒を発して、氏を獄に投じたので、この絶世の法律家は、遂に貴重なる一命を囹
圄《れいご》の中に殞《おと》してしまった。 ローマ法族の法神パピニアーヌスは誣....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
品性を損するを知り、昼夜奔走苦労してその筋へ進言し、議会でも弁じもらい、ついに囹
圄《れいご》に執《とら》わるるに至って悔いず。しかるにその言少しも用いられず。不....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
楽しいものに思えた。それは私が一生のうちに見た美しい夢の一つである。 後年|囹
圄の身となるに及び、私は獄窓の下で屡々この昔日の清夢を想い起した。幸に生命があっ....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
捨なく吹きつける。さしもに豪華をうたわれた岩下氏もある事件に蹉跌《さてつ》して囹
圄《れいご》につながれる運命となった。名物お鯉も世の憂《う》きをしみじみとさとら....
「変な恋」より 著者:小酒井不木
ューヨークの暗黒界に於ける一大勢力であった。彼が一たび口走れば、どんな犯罪者も囹
圄の人とならねばならなかったのであるから、全く無理もない話である。しかし彼はある....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
な生命を、みずから持てあましているかに見える。 晩春の夜の生ぬるさは、いとど囹
圄の高氏をくるしませた。 若い肉塊は、なにか、疼きにたまらなくなるらしい。思う....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
「しゃッ。その儀はならんといったのに、まだ駄々をこねておられるのか。一体誰が囹
圄のお耳へ入れたのだ」 「いや、加古川ノ宿には、こよい御父の後醍醐も、お泊りなり....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
親王の御罰は、ひとえに宮の驕りをこらす聖衷に存するを、私怨をふくんで、これを囹
圄に幽す。罪の七。 一つ 混乱に乗じて、部下の兇兵を使嗾し、宮に害刃を加えたてま....