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「圏外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

圏外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
死の魅力を記述している。実際我我は何かの拍子に死の魅力を感じたが最後、容易にその圏外に逃れることは出来ない。のみならず同心円をめぐるようにじりじり死の前へ歩み寄....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
って、同じ発音の言葉でも、抑揚《アクセント》が違う場合には、一時ことごとく記憶の圏外に擲《な》げ出されてしまう。そうではないか。したがって(八(はち)――九(く....
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
勝負なぞ、初めは、どうでも好いのですが、やはり良い当りをみせて、あなたの持ち輪を圏外《けんがい》の溝《みぞ》のなかに、叩き落したときなぞ、思わず快心の笑《え》み....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
れるであろうと信じる。これらの問題の考察は実際全然この書の目的とする科学的考究の圏外に属するものなのである。 ストックホルムにて 一九一〇年一〇月 発達....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
し、この事件の開始と同時に、ある一つの遠心力が働いて、そうしてその力が、関係者の圏外はるかへ抛擲してしまった一人があったのですよ。僕は、最初この館に一歩踏み入れ....
蒲団」より 著者:田山花袋
はこういう経験が幾度もあった。一歩の相違で運命の唯中に入ることが出来ずに、いつも圏外に立たせられた淋しい苦悶、その苦しい味をかれは常に味った。文学の側でもそうだ....
火星兵団」より 著者:海野十三
――そんなことは、おどろくに足りないが、この大空艇のすばらしい性能は、地球の引力圏外にとびだしてみれば、はっきりわかるのだ」 「え、引力圏外へ? すると、火星ま....
怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
を云う。 「すると、どうなるかね」 「海へ飛込んで、海中深く潜りながら、大渦巻の圏外へ脱れるのさ。僕は、鉄の心臓の所有者だから、一気に脱れ出られるとおもうよ」「....
わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
楽した。孤絶せる魂に恋はない。毒血の麻薬的な明滅だつたが、この少年を自己の運命の圏外へ手放すことに異常な恐怖に襲はれた。 四郎はかゝる不自由な身動き、否、全然....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
あり、無誠意の状態でもある。生活圏内の人間から盗みをするのは気の毒であるが、生活圏外の人間から盗みをするのは気の毒ではないような感情が、温泉地に住んでいると、生....
貞操問答」より 著者:菊池寛
れている。 新子は、眼を伏せたっきり、問答は全く、夫人と美和子に移って、彼女は圏外に出された形である。 夫人は、今まで、わがまま一杯に育ち、人を権柄ずくにや....
次郎物語」より 著者:下村湖人
しいという気になっていた。で、処罰の範囲が最小限度に食いとめられ、自分たちはその圏外に立ちたいという、無意識的な希望的観測から、自然、次郎というのっぴきならない....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
することをも忌避されたのであった。かくの如き次第で、殺生肉食常習者は、次第に社交圏外に置かれ、普通民からは相手にされなくなる。餌取すなわち屠者の如き肉食殺生常習....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
部落となり、その地位はますます低下しました。かくの如くにして、彼らはまったく社会圏外に放逐せられ、もっとも低級なる賤者となってしまいました。従来はただ身分の低い....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
漸く谷を埋めんとしている。近い根名草山の巓を除いては、奥白根と女貌山とが此色彩の圏外に聳立した二の山であった。鬼怒沼ヶ原はつい目と鼻程の距離に迫って来たけれども....