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「園丁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

園丁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
、光を含んだ青空が静かに流れるように漂っていた。苔香園《たいこうえん》のほうから園丁が間遠《まどお》に鋏《はさみ》をならす音が聞こえるばかりだった。 若さから....
芽生」より 著者:島崎藤村
、土地の平坦《たいら》な、柔い雨の降るところで働くことの出来る人々は、ある一種の園丁《にわづくり》のように私の眼に映った。角筈に住む水彩画家の風景画に私は到る処....
深夜の市長」より 著者:海野十三
久し振りで日比谷公園の中に入っていった。 春をやがて迎えることになった花壇は、園丁の苦心で、早や咲きのチューリップ、ヒヤシンス、シネラリヤ、オブコニカ、パンズ....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
宅から届いたお弁当もそっくり其儘です。黙って帰るわけにも行きませんので、畜養員と園丁とを総動員して園内の隅から隅まで探させました。私は園丁の比留間というのを連て....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
あった。 「これは綺麗な花園でござるな」感嘆して立ち止まった。 するとその時|園丁と見えて、鋤を担いだ大男が花を分けて現われたが、二人の姿をチラリと見ると逃げ....
戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
ではなく、大使自身も馘になるのだ。大使ばかりではない。参事官も書記生も語学将校も園丁もコックも、みんな馘になるのじゃ」 「はて、それは一体どういうわけ……」 「....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
に渡すから、持っていってくれたまえ。それから君がいったら案内するように、留守番の園丁にもひと筆かいてやる。万事はあすの朝、飯を一緒に食いながら相談することにしよ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
季節もよかった。前陛下の御丹精になる色とりどりの花が咲き乱れ、そこここに二、三の園丁が鋏の音を立てて、上には、夏の空に団々たる雲のかたまりが静止していた。ここに....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
七割税には、すこしも保護政策の意味は含まれていないのです。ただ伊太利の切花業者と園丁から長年の生活を奪って、そのかわり、彼らに、多くの悲劇と家庭の解散を与えたに....
ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
ょに、庭園のどこか別のところへ行っていました。ちょうど、その留守中のことでした。園丁が飼っているスパニエル犬が、どうしたはずみか、庭園に入り込んで来て、私の寝て....
真夏の夢」より 著者:有島武郎
さきそろった寺領の庭だの、ジャスミンの花にうもれた郵便局だの、大槲樹の後ろにある園丁の家だのがあって、見るものことごとくはなやかです。そよ風になびく旗、河岸や橋....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
な小づつみや、ふしぎな手紙や笑いの電報などを送って来ました。また、ローレンス家の園丁はマーチ家の女中ハンナにひきつけられ、本気で恋文を書いて来ました。その秘密が....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
を窺っているらしい。 すると忽然潜戸の戸が内の方から開けられて、そこから一人の園丁が上半身を突き出した。 「レザール君かい?」と園丁は闇をすかして声をかけた。....
決闘」より 著者:神西清
、レースの頭巾をかぶり、朝になると狆を連れた居候女を従えて庭へ下りて、がみがみと園丁や召使にものを言うところや、その傲慢で横柄な顔つきを思い浮かべると、いま書い....
アッタレーア・プリンケプス」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
分たちもてんでに鉄のわくへのしかかって、曲がりくねったり折れたりしておりました。園丁たちは休む間もなしに木々の枝を刈り込んで、しゅろの葉の方は針金でからげ上げて....