土俵[語句情報] » 土俵

「土俵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

土俵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
なのが気にさわった。殉情的なくせに恐ろしく勘定高いのがたまらなかった。青年らしく土俵ぎわまで踏み込んで事業を楽しむという父に似た性格さえこましゃくれて見えた。こ....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
屋が掛《かか》った。猿芝居、大蛇、熊、盲目《めくら》の墨塗《すみぬり》――(この土俵は星の下に暗かったが)――西洋手品など一廓《ひとくるわ》に、※草《どくだみ》....
党生活者」より 著者:小林多喜二
策略がひそんでいるのだ。そんな噂さを立てさせて、首切りの前の職工の動揺を防いで、土俵際でまンまとしてやろうという手なのだ。 それが今日工場で可なり話題になった....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
きない。ようやく埒外に出れば、それからは流れに従って行くのであるが、先の日に石や土俵を積んで防禦した、その石や土俵が道中に散乱してあるから、水中に牛も躓く人も躓....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ったが、咄嗟に針を吐くあたわずして、主税は黙って拳を握る。 英吉は、ここぞ、と土俵に仕切った形で、片手に花の茎を引掴み、片手で髯を捻りながら、目をぎろぎろと…....
深夜の市長」より 著者:海野十三
してあった。 僕たちはツカツカと屏風の傍に進み、それを左右に開いた。 まるで土俵のように盛り上った二つの厚い蒲団――その蒲団の夜着の間から、二つの頭が覗いて....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
側は切り崖、樹木茂る。この険の突角の所を撰びて、賊は砲塁を二重にも三重にも構へ、土俵が間に合はぬとて、百姓共が囲み置く粟麦などを俵のまゝ用ひたる程なり」 大体....
火星兵団」より 著者:海野十三
ですよ。太さは、そうですね、僕たちが、学校でよく相撲をとりましたね。あの時校庭に土俵がつくってあったことを、先生はよく覚えていらっしゃるでしょう。柱の太さは、あ....
金太郎」より 著者:楠山正雄
びにはこのおむすびをやるぞ。」 と言いますと、熊がむくむくした手で地を掘って、土俵をこしらえました。 はじめに猿とうさぎが取り組んで、鹿が行司になりました。....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
き据えて、腰をたてにしたまで、すべて、息を吐く隙がない。息を吐く隙がありません。土俵が壊れたような、相撲の総立ちに、茶屋の表も幟を黒くした群衆でしょう。雪は降り....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
千米突内外の同胞、自ら中堅となって四股を踏み、群雄を睥睨しおる様は、丁度、横綱の土俵入を見るようだ。さはいえ、乗鞍や槍の二喬岳を除けば、皆前衛後衛となって、恭し....
現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
わらず、しからば乃公がと、またまた現われ出て来たのは久吉翁である。もともとこの人土俵の外に投げ出されたとて敗けたとはいわぬという日下開山、これが名越の自邸に築窯....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
り、いかに人物を大きくすることか分らない。人間は我もある程度に必要である……が、土俵割るも未だ負けを承服しないという田舎角力であってはならない。勝ちは勝ち、負け....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
党は政権を取ったら、かならずこのとおりに実行することを誓います。議会政治は国会を土俵として、政府と反対党がしのぎをけずって討論し合う、そして発展をもとめるもので....
俗臭」より 著者:織田作之助
門は伝三郎が近頃七百円もする土佐犬を飼い、おまけに闘犬に勝ったといっては犬の鎖や土俵入りの横綱に大枚の金を使ってるときいて業を煮やし、内容証明書を伝三郎に送った....