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土地柄
「土地柄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土地柄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
腰を落ちつけて雰囲気をたのしむという風には出来ていないが、さすがに京都の喫茶店は
土地柄からいっても悠長だ。 例えば、セントルイスには半日坐り込んでいる常連がい....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
う》ちでとか、欺されて田畑をとられたためだとか、哀れっぽく持ちかけるなど、まさか
土地柄《とちがら》、気性柄蝶子には出来なかったが、といって、私《わて》を芸者にし....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
った。 そこは旧い貧民街を蚕食して、モダンな住宅が処々に建ちかかっているという
土地柄だった。 かの女はむす子の棲むアパートの近所を見て歩いた。むす子が、起き....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
れ二千二百二十五戸という大被害で、神田の山車小屋などもみな吹き倒された。それでも
土地柄だけに、その後も隔年の大祭を怠らなかったが、その繁昌は遂に十七年度の昔をく....
「温泉」より 著者:梶井基次郎
ックの運転手をしている。都会へ出て大工や指物師になっている者もある。杉や欅の出る
土地柄だからだ。しかしこの百姓家の二男は東京へ出て新聞配達になった。真面目な青年....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
末。 心境の御変化はどういう理由で……あなた個人の、身辺的事情?……それとも、
土地柄政治的原因で……と包囲攻撃のなかで静かに莨煙をたて、折竹は憮然とガウンの紐....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
してその総髪にした頭の上には例の兜巾がチョコンと載って居りました。 『女人禁制の
土地柄、格別のおもてなしとてでき申さぬ。ただいささか人間離れのした、一|風変って....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
の期待にそむかぬというような美点を感じとることはできなかつた。その代り、これは、
土地柄などとまつたく関係なく、どこにでもある、そしてまた、当節はそれが目立つて多....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
、反対側は中庭で、月光が、霜でも敷いたかのように、地上を明るく染めていた。質朴な
土地柄からか、雨戸などは立ててない。お浦は廊下を、足音を忍ばせて歩いて行った。廊....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
六畳の二間そっくり占領したのだが、それで間代は二円であった。 京都は諸事倹約の
土地柄で、生活費の安いところであるが、別して伏見のイナリ界隈は安いとされている。....
「妖婦」より 著者:織田作之助
いくらいの器量よしだったから、三年生になると、もう男の子が眼をつけた。その学校は
土地柄風紀がみだれて、早熟た生徒は二年生の頃から艶文をやりとりをし、三年生になれ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
は、たびたび踊らせられるのでしょう。酔った人たちは手を叩いて囃すのでした。いくら
土地柄とはいえ、なぜこんな踊をさせるのだろう。お兄様もどこかで見て御存じなのかし....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
穿いているさえあるに、髪が夜会結。一体ちょん髷より夏冬の帽子に目を着けるほどの、
土地柄に珍しい扮装であるから、新造の娘とは知っていても、称えるにお嬢様をもってす....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
が見える――とそういうのが、近国にも響いた名所だ。町に別嬪が多くて、山遊びが好な
土地柄だろう。果して寝転んでいて、振袖を生捉った。……場所をかえて、もう二三人|....
「味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
貴族、名門の口を潤すべき料理を考案しなければならなかった。こうした材料、こうした
土地柄が、立派な料理の花を咲かせたのは理の当然といえよう。 * まぐ....