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土室
「土室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土室の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
芋《いも》の穴の中へ伝吉を隠した。芋の穴と云うのは芋を囲《かこ》う一畳敷ばかりの
土室《つちむろ》である。伝吉はその穴の中に俵の藁《わら》をかぶったまま、じっと息....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ともつかぬ穴倉の前で消えているのです。――おそらく、人形用の細工土をかこってある
土室にちがいない。足跡はその入り口のところでぴたりと止まって、入り口にはまた厚そ....
「白くれない」より 著者:夢野久作
、香煙の芳香にや酔ひたりけむ。一議に及ばず承引きつ。其夜は其の花畑の下なる怪しき
土室にて雲烟、恍惚の境に遊び、天女の如き唐美人の妖術に夢の如く身を委せつ。 眼....
「おいてけ堀」より 著者:田中貢太郎
つかと入って往った。 「おい、茶を一ぱいくんねえ」 行燈のような微暗い燈のある
土室の隅から老人がひょいと顔を見せた。 「さあ、さあ、おかけなさいましよ」 金....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
「暖国には樹上の家、寒国には土中の室、神代には皆それであった」 土地の者にも
土室が好い事を勧めていた。この洞斎の住居を夜に入って密々に訪れたのは、昼の約束を....
「山道」より 著者:中里介山
|腹摺山《はらすりやま》」という名の如何にも古朴にして芸術味に富んだ事、いつぞや
土室沢《つちむろざわ》と小金沢《こがねざわ》とを振分ける尾根を通って行くと枯れ落....
「古事記」より 著者:太安万侶
いました。その穴居の人を撃とうとすることを示した歌は、 忍坂《おさか》の大きな
土室《つちむろ》に 大勢の人が入り込んだ。 よしや大勢の人がはいつていても 威勢....
「春心」より 著者:田中貢太郎
顔は土色に沈んでいた。広巳は肆の者には眼もやらないで、肆の左側の通りぬけになった
土室を通って往った。そこに腰高障子が入っていて、その敷居を跨ぐと庖厨であった。そ....
「水魔」より 著者:田中貢太郎
なったか、と、時計の方へやった眼をまた入口の方へやった。青い帷は惰そうに垂れて、
土室の中に漂うた酒と煙草の匂を吸うていた。 「山西さんどうしたの、今晩はいやにす....