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土民
「土民〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土民の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
さした。 もとより山のことにかけては何事でも暗《そら》んじているこどもを、麓の
土民たちはその山の神と呼んだ。そして侍《かしず》き崇むる外に山に就ての知識を授け....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、読者諸君にのみ込めたことだろうと思う。
じっさい、裾《すそ》はるかを遊牧する
土民中の古老でさえ、その主峰の姿をいまだに見たものはない。したがって、高さも一体....
「わが町」より 著者:織田作之助
もって工事の至難さを知るべしという技師長の報告が、米本国の議会へ送られた時には、
土民の比律賓人をはじめ、米人・支那人・露西亜人・西班牙人等人種を問わず狩り集めら....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
吉の軍門に投じたのであった。 秀吉は此一円を、始め小西行長に属せしめたが、郷士
土民はよく豊臣の制令に服従した。 徳川の天下となった後も、これらの郷士の子孫達....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、ありあわせたこの雀を買ったのがはじまりで、笛吹はかつて、麻布辺の大資産家で、郷
土民俗の趣味と、研究と、地鎮祭をかねて、飛騨、三河、信濃の国々の谷谷谷深く相|交....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
とは出来ないが、美人の身体を半分ずつよ、丶丶丶の令息と、丶丶の親類とで慰むのだ。
土民の一少婦、美なりといえどもあえて物の数とするには足らぬ。 「ね、」 (笑って....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
ますぞ」 それから、小半刻ばかりたったのちに、一人の背の高い男が、浜辺に集った
土民たちの中で、身を震わせていた。 海霧が、キラキラ光る雫となって、焼けた皮膚....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
落させる。 「分りましたよ、非常時の馬鹿力というのが、あれほど、お痛みだったのが
土民がとおると、瞬間ケロリと忘れてしまう……。いや、気が張っとりますと、感じない....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
それは併し磔刑にして、現世に有るべき理が無いのに、その時の若衆そっくりのが、他の
土民等と道端に土下座しながら、面を上げてこちらを見詰めていた。弟にてもあるかと思....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
い大変化に気がついたのだ。そこには、ドイツ兵士は一人もいず、てんで見たこともない
土民兵が睡っている。ちょっと、ポリネシア諸島の馴化土人兵のような服装だ。 「なん....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ので、博士は蓮華生その人は仏の化身であるということを信じて居ります。またこの辺の
土民はこの穢わしい蓮華生の仏教を盲信することは実に酷いもので、全くこの辺に行われ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
出はしなかったのである。こうした慈悲心が窮極するときに、 建暦元年七月洪水漫天、
土民愁嘆きせん事を思ひて、 一人奉と云 ときによりすぐれば民のなげきなり八大竜王....
「古事記」より 著者:太安万侶
しの妻となつたのは、 かわいい事さね。 國主歌《くずうた》 ――吉野山中の
土民の歌曲。―― また、吉野のクズどもがオホサザキの命の佩《お》びておいで....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
本は輸入消費地であります。しかし、ただの輸入消費ではありません。輸入するにも、国
土民情に適したものを篩い選り、そしてさらにこれを民族精神で精製し直し、全く日本的....
「わが町」より 著者:織田作之助
数千米にも及ぶ……。」 云々という技師長の報告が米本国の議会へ送られた時には、
土民の比律賓人をはじめ、米人・支那人・露西亜人・西斑牙人等人種を問わず狩りあつめ....