土産[語句情報] » 土産

「土産〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

土産の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
机の上に黒百合《くろゆり》の花束がのっているでしょう? あれもゆうべクラバックが土産《みやげ》に持ってきてくれたものです。…… (僕は後ろを振り返ってみた。が....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
越そうじゃないか?」 牧野はさも疲れたように、火鉢の前へ寝ころんだまま、田宮が土産《みやげ》に持って来たマニラの葉巻を吹かしていた。 「この家《うち》だって沢....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
お前は便船のあり次第、早速《さっそく》都へ帰るが好《よ》い。その代り今夜は姫への土産《みやげ》に、おれの島住いがどんなだったか、それをお前に話して聞かそう。また....
」より 著者:芥川竜之介
に桶《おけ》をのせた物売りの女が二人、簾の目を横に、通りすぎる。一人は手に宿への土産《みやげ》らしい桜の枝を持っていた。 「今、西の市《いち》で、績麻《うみそ》....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
の氷解した喜びを、読者とひとしく味いたいと思う。―― 第一に、記録はその船が「土産《みやげ》の果物《くだもの》くさぐさを積」んでいた事を語っている。だから季節....
或る女」より 著者:有島武郎
して、その足で買い物に出かけた。妹たちに買い残しておくべき衣服地や、外国人向きの土産品《みやげひん》や、新しいどっしりしたトランクなどを買い入れると、引き出した....
或る女」より 著者:有島武郎
気になり出した。明後日東京に帰るまでの間に、買い物でも見て歩きたいのだけれども、土産物《みやげもの》は木村が例の銀行切手をくずしてあり余るほど買って持たしてよこ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
をがたりと引いて、アア、しばらく御無沙汰なすった、明日め組が参りますから、何ぞお土産をお持ちなさいまし、先生はさっぱりしたものがお好きだ、と云うし、彼奴が片思い....
三つの宝」より 著者:芥川竜之介
くなるぞ。 主人 その前に御勘定を頂きましょうか? 王子 何、すぐに帰って来る。土産には何を持って来てやろう。イタリアの柘榴か、イスパニアの真桑瓜か、それともず....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
が来ると云うあんばいで、仕事も休みがちで遊びまわるんだ。偶にゃ大層も無え。お袋に土産なんぞ持って来やあがる。イフヒムといがみ合った様な噂もちょくちょく聞くから、....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
うだ、が、何しろ、東京の的等の一人だ。宗家の宗、本山の山、宗山か。若布の附焼でも土産に持って、東海道を這い上れ。恩地の台所から音信れたら、叔父には内証で、居候の....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
には足りなくても、安肉四半斤……二十匁以上、三十匁以内だけの料はある。竹の皮包を土産らしく提げて帰れば、廓から空腹だ、とは思うまい。――内証だが、ここで糸七は実....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
」 「それだ。なかなか人が悪い。」広い額に手を加える。 「それに、母も、先生。お土産を楽しみにして、お腹をすかして帰るからって、言づけをしたそうです。」 「益々....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
さりはして居らんな。それで汝の母人は、今日爰へ来た序に俺の本体を見物して、それを土産に持って帰りたいということのようであるが、これは少々困った註文じゃ。俺の方で....
活人形」より 著者:泉鏡花
はたと蹴返せば、苦と仰様に僵れつつ呼吸も絶ゆげに唸きいたり。「やい、婦人、冥途の土産に聞かしてやる。汝の母親はな。顔も気質も汝に肖て、やっぱり我の言うことを聞か....