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土着
「土着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
ようになった。 彼は、いつとなしに信濃から木曾へかかる鳥居峠《とりいとうげ》に
土着した。そして昼は茶店を開き、夜は強盗を働いた。 彼はもうそうした生活に、な....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
来ての話。 四月七日 ◯本日朝七時四十分に警報。「敵大編隊来襲、八時二十分頃本
土着のヨテイ」と。 すぐ警戒に立つ。用意万端ととのえたが、敵機は仲々来らず(後....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
髪や服装を現代にはしているが、顔立ちは鹿鳴館時代の美人の系統をひくものがあった。
土着の武蔵野の女には元来こういうタイプがあるのか、それともこの夫人だけが特にこう....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
なった。海の方面に大雨が降ったらしいという。やがて七時半に近い頃である。あたりの
土着民が俄かに騒ぎ出した。 「龍! 龍!」 みな口々に叫んで表へかけ出すので、....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
こへ、モザンビイク一の富豪アマーロ・メンドーサの援助があり、ついに研究所をひらき
土着の決心をした。そうして、座間は黒人の神となった。生涯を、熱地の狂人にささげ、....
「転機」より 著者:伊藤野枝
と飢えにひしひし迫られた。ある者は、たまたま住みよさそうな処に行っても、そこでは
土着の人々からきびしい迫害を受けなければならなかった。彼等のたよりは、わずかな金....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
義にも解せられ、ことにそれが大水上神の御子神だとあってみれば、もともと川上住居の
土着神であった伝えは否定し難いであろう。儀式帳には大神宮摂社の中に大水上神の御子....
「国栖の名義」より 著者:喜田貞吉
や、海部・土師部などと言われたものと同じく、石器時代から弥生式土器を使った、先住
土着の一民族であると考えている。彼らは古伝説において、国津神または地主神として伝....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
れらはつまりその寺の護法神なのである。これを人事から解すれば、畢竟前からその地に
土着していた先住の民族を従えて、或いはこれと妥協して、自分の寺の保護者としたとい....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
。ここにおいて夷神すなわちオヒナサマの名義は解せられる。 あるいは先住の夷人が
土着のままに日本民族に仲間入りして、祖先以来の宅神をそのまま祭っていると解しても....
「サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
モノと呼んでいる。東山や鴨川堤などに臨時の小屋を構えて住んでいるものは、そのやや
土着的性状を具えて来たものと思われるが、それでもやはり戸籍帳外のものとしてしばし....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
あるいは人類学上面白い事を発見するかも知れんと思われる事が沢山ある。もしもこれが
土着のものであったならばこの種族からどういう風に外に分れて行ったかという研究の材....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
者、国史記を絶たず。(中略)。其の陋き者は、当時之を諸国に分置し、各自郷をなして
土着者と相雑はらず。故に其の種落を謂つて余戸となす。大抵外国人獣肉を屠るに慣る。....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
かもそれが「班田に入らず」とあっては、従来より存在した工人部落か、または浮浪民の
土着定住して雑職に従事するの徒であったらしく、いわゆる雑戸の類であったと解せられ....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
るものではない。あたかもかの浮浪人と言われたものが、だんだん浮浪の状態から脱して
土着定住したと同じように、いつか一定の居所を定めて、在家の雑法師らと多く区別なき....