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土釜
「土釜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土釜の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
、それじゃ置いておいで」 とさも無雑作《むぞうさ》に云っちまった。ちょうど炭屋が
土釜《どがま》を台所へ担《かつ》ぎ込んだ時のように思われた。人間が遥々《はるばる....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
にが世帯さア。こんな、焼トタンの急造バラックにさ。欠けた茶碗が二つに、半分割れた
土釜が一つ、たったそれっきり、あんたも、あたしも、着たきりじゃないの」 「まだ有....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
私は、新居へ移ると共に、私の部屋へ引っ込んで、自分で炊事できるだけの道具――
土釜、土鍋、七輪の類をととのえた。隠居の志が可成り、深い所に潜んでいるらしい。 ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
もれてくるので。 だが、朝夕作阿弥が、小屋のそばを流れる谷川の縁にしゃがんで、
土釜《どがま》の米をすすいだり、皿小鉢を洗っているのを、むこう山の木の間から、樵....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
少しあの窓の下では、微笑《ほほえ》んでもいいでしょう――。
二畳の部屋には、
土釜《どがま》や茶碗や、ボール箱の米櫃《こめびつ》や行李《こうり》や、そうして小....
「クララ」より 著者:林芙美子
っぱい湯の上に流れています。 むつは腹がへって來てがまんが出來なくなりました。
土釜のふたを取ってみたけれども、水が入れてあるきりで、杓子に米粒一つついてはいな....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
私は宿酔いと、空腹でヒョロヒョロする体を立たせて、ありったけの一升ばかりの米を
土釜に入れて、井戸端に出た。 下の人達は皆風呂に出たので、私はきがねもなく、大....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
折々継ぎ足さなければなりません」小山「テンピに使う炭は何がいいのです」お登和嬢「
土釜《どがま》の上等がようございますね。立消《たちぎえ》のしない上等の
土釜を起し....