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「圧倒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

圧倒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
に光っている高島田が眼にはいった時、私はほとんど息がつまるほど、絶対絶命な恐怖に圧倒されて、思わず両手を畳へつくと、『私は人殺しです。極重悪《ごくじゅうあく》の....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
然そこにいるべき母のいない事を見せられると、必ず落莫《らくばく》たる空虚の感じに圧倒されるのが常であった。その悲しみに比べると、今の彼の寂しさが、より強いものと....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
子はもう一度夫の胸へ彼女の体を投げかけようとした。が、嫌悪はもう一度彼女の勇気を圧倒した。 「あなた!」 彼女が三度目にこう言った時、夫はくるりと背を向けたと....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
前たちが六つと五つと四つになった年の八月の二日に死が殺到した。死が総《すべ》てを圧倒した。そして死が総てを救った。 お前たちの母上の遺言書の中で一番崇高な部分....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ければならぬ苦しみだ。 地球の北端――そこでは人の生活が、荒くれた自然の威力に圧倒されて、痩地におとされた雑草の種のように弱々しく頭をもたげてい、人類の活動の....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ある。権威と独創とは本能的生活の所産である。そして現世では、いつでも前者が後者を圧倒する。 釈迦は竜樹によって、基督は保羅によって、孔子は朱子によって、凡てそ....
『聖書』の権威」より 著者:有島武郎
せしめたのは矢張り私の青年時代であったと思います。人には性の要求と生の疑問とに、圧倒される荷を負わされる青年と云う時期があります。私の心の中では聖書と性慾とが激....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
戦術であったのであります。多くの兵が密集して方陣を作り、巧みにそれが進退して敵を圧倒する。今日でもギリシャ、ローマ時代の戦術は依然として軍事学に於ける研究の対象....
映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
人の運命としての癩をどうすることもできない。ただ、もう偉大なるその暗黒的性格に、圧倒されるばかりである。それは客観的にはいかなる意味でも救いがない。そうしてこの....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
輩として尊敬する。棒を五、六本たてて空手でその間を抜けることを練習した。いささか圧倒のきみがあって小林の鼻などは大分のびた。小池は神妙に下で練習している。まだ大....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
機微に針の尖で触れますように、真理を鋭刀で裂きますように、もう一息、世界の文豪を圧倒しますように……でないと、承知の出来ない方々が多いと思う。が、一雪のお京さん....
政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
して、人格的には四流五流の人間が多く、良心よりも私的利益によつて動きそうな人間が圧倒的に多いのである。 このようなものがいくら入りかわり立ちかわり政治を担当し....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
どこへなりとくりだした気になってしまった。 彼が家に入ったとき、彼の心は完全に圧倒されてしまった。ひろびろとした家で、棟は高いが、屋根の勾配はゆるやかで、その....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
五七年四月以後の世界の情勢は変化をいたしました。毛沢東先生はこれを、東風が西風を圧倒しているという適切な言葉で表現されていますが、いまではこの言葉は中国のみでな....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
やがてこれ絶対平和の第一歩たるべし。 一 戦争本来の目的は武力を以て徹底的に敵を圧倒するにあり。しかれども種々の事情により武力は、みずからすべてを解決し得ざるこ....