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圧巻
「圧巻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
圧巻の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
を待った。此の間、彼が作戦奏上の為め、吉野に参廷したあたりは、正に『太平記』中の
圧巻であって、筆者は同情的な美しい筆を自由に振って、悲愴を極めた光景を叙述してい....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
がてパパになるというのも奇想天外、いや、それよりも何よりも、今夜の此の朗読劇こそ
圧巻だ。ポローニヤスは、たしかに少し気が変になっているのだ。一挙に三十年も四十年....
「木下杢太郎『唐草表紙』序」より 著者:夏目漱石
いるため、多少のむらがあると思いますが、世間でいう小説の意味から批判すると、或は
圧巻の作かも知れません。 要するに貴方の書き方は絹漉《きぬご》し豆腐のように、....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
いうのなどは、かわゆく自然で、微笑まされる。第六回女塾の場面を、逍遙は序のなかで
圧巻とほめているのであるが、明治二十年というその時分の女学生の喋り工合が活々とし....
「五〇年代の文学とそこにある問題」より 著者:宮本百合子
、まともな人生を意味するなら、宇野浩二のあの文章は、日本人の人生そのものに関して
圧巻であった。昔、宇野浩二が書いた小説に、菊富士ホテルの内庭で、わからない言葉で....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
、すごすご武器を引きずって森の奥へ退いて行った。 これは中世の騎士伝説の中で
圧巻的なエピソードだと思う。騎士達は礼儀正しく貴婦人達の前に跪き、その手に接吻し....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
向上の生きた仕事に従わねばならぬ。 次に『非命の死と罪悪』の一節は、正に本章の
圧巻で、再思三考に値する。人心の悪化、労資の軋轢、世界現状の行詰等を歎息するもの....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
新しきものなり」とあるが、これ叙し得て妙というべきで、この数句は『実隆公記』中の
圧巻といって可なるもの、ほとんど『明月記』の塁を摩するものである。 文明九年参....
「源氏物語」より 著者:紫式部
身にしむ歌もあった。だれも他の絵のことは忘れて恍惚《こうこつ》となってしまった。
圧巻はこれであると決まって左が勝ちになった。 明け方近くなって古い回想から湿っ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
持華族です。細川といううちは政治に手を出さないのが慣わしの由。日本の美術蒐集では
圧巻でしょう。春草の「落葉」は護立侯所蔵ですし。 きのう、ふと活字が大きいのに....
「青春論」より 著者:坂口安吾
けだ」 「勝つつもりなら、鞘を水中へ捨てる筈はなかろう」 この間答は武蔵一生の
圧巻だと僕は思う。武蔵はとにかく一個の天才だと僕は思わずにいられない。ただ彼は努....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
その落款の「朱肉も乾かず」というへんな生々とした実感さ。私はここを圓朝全怪談中の
圧巻だとさえおもうのである(ことにこの場面は速記で読んでもぞくぞくと迫ってくる肌....
「京の四季」より 著者:和辻哲郎
一番味がある。われわれの祖先の持っていた趣味をいろいろと思い出させる。 中でも
圧巻だと思ったのは、雪の景色であった。朝、戸をあけて見ると、ふわふわとした雪が一....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
かかる大木の梢から下枝の先に至るまで、鮮かな黄に彩られた霜葉の美観は、蓋し此処の
圧巻であろう。温泉岳から金精山や前白根に至る諸峰も指呼の間にある。奥白根の絶巓も....