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「在る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

在るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
ら、袖を女中の肩に当てて、 「お前もやっぱり言うんだもの、半纏着た奥様が、江戸に在るものかね。」 「だって、ねえ、めのさん。」 とお源は袖を擦抜けて、俎板の前....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
旅客にして見る時もある。 私はかくの如くにして私自身である。けれども私の周囲に在る人や物やは明かに私ではない。私が一つの言葉を申し出る時、私以外の誰が、そして....
白い下地」より 著者:泉鏡花
鼈甲にしろ、簪にしろ、櫛にしろ、小間物店にある時より、またふっくらした島田の中に在る時より、抜いて手に取った時に真の色が出るのである。見られるのである。しかしな....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
あわれ、この少き人の、聞くがごとくんば連日の疲労もさこそ、今宵は友として我ここに在るがため、幾分の安心を得て現なく寝入ったのであろう、と小次郎法師が思うにつけて....
黒百合」より 著者:泉鏡花
うで、日本にも珍らしかろう。書いたものには、ただ北国の高山で、人跡の到らない処に在るというんだから、昔はまあ、仙人か神様ばかり眺めるものだと思った位だろうよ。東....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
しましょう。 ここでちょっと申添えて置きたいのは、私の修行場の右手の山の半腹に在る、あの小さい竜神の祠のことでございます。私は竜宮行をする前に、所中そのお祠へ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
ある。 問『生命は永遠?』 永遠の生命との二つである。われ等はまだ向上の途中に在る。われ等は地上の人間が想像する以上に、奥へ奥へ奥へと、生命の階段を昇るべく努....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
後八個月ばかりも中断してから再び静電気の研究に戻った。 「先ず電気は導体の表面に在るのか、または導体と接する媒介物(絶縁物)の表面に在るのか」という問題から始め....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
に一髪と謂わざるべからず。若し幕府にして戦端を開かば、その底止するところ何の辺に在るべき。これ勝伯が一|身を以て万死の途に馳駆し、その危局を拾収し、維新の大業を....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
焚き占めましょう、と病苦の中に謂ったという、香の名残を留めたのが、すなわちここに在る記念の浴衣。 懐しくも床さに、お縫は死骸の身に絡った殊にそれが肺結核の患者....
清心庵」より 著者:泉鏡花
かくいいし間にいろいろのことこそ思いたれ。胸痛くなりたれば俯向きぬ。女が傍に在るも予はうるさくなりたり。 「だから、もう他に何ともいいようは無いのだから、あ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
。 月に三度あるいは二度、十四から通うて二十の今まで、いわゆる玉の輿がこの門に在ることは、あえて珍しくはないのであったが、かくまで道を塞いで、縦に横附けになっ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
突伏して腹を冷した酔んだくれの俤さえ歴々と影が透いて、女房は慄然とする。奴は絵に在る支那兵の、腰を抜いたと同一形で、肩のあたりで両手を開いて、一縮みになった仕事....
活人形」より 著者:泉鏡花
凄まじく、頬の肉落ち頤細りて薄衣の上より肩の骨の、いたいたしげに顕われたるは世に在る人とは思われず。強き光に打たれなば、消えもやせんと見えけるが、今泰助等を見た....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
撃、十四日辛うじてこれを降伏せしめたが、ナポレオンはこの間敵の部隊北方デゴ附近に在るを知って該方面に前進、十四日敵を攻撃してこれを撃破し、再び西方に向う前進を部....