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「在否〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

在否の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
あるんだとか申しまして、ほんの今ひと足先にけえりましたよ」 はせつけて秀の浦の在否をきくと、惜しいことにひと足違いでたち帰ったあとといったので、右門はいささか....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
り、算数手習い伝授、市毛甚之丞と看板の見える一軒が労せずして見つかりましたので、在否やいかにと、先ず玄関口にそっと歩みよりながら、家内の様子を見調べました。 ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
がしら》の金助はさらに手間暇を要せず居どころが判明したものでしたから、右門はまず在否を尋ねました。 しかし、居合わした若い者の答えによると、金助は一度帰宅した....
三四郎」より 著者:夏目漱石
、三四郎は自分ながら気恥ずかしいような妙な心持ちがした。ひとの玄関で、妙齢の女の在否を尋ねたことはまだない。はなはだ尋ねにくい気がする。下女のほうは案外まじめで....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
当夜の秘密を世間に拡められては面倒である。長八はその翌朝、長三郎を遣わして藤助の在否をさぐらせたが、彼はゆうべから戻らないと云うので、むなしく引っ返して来た。 ....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
。近づいて這入りでもするかと思われたのに、三人はそこの小蔭に佇むと、遠くから客の在否を窺った。 しかし居ない。 刻限も丁度頃なら、場所も目抜の場所であるのに....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の淋しい釧路の白糠駅で下りて、宿の亭主を頼み村役場に往って茶路に住むと云うM氏の在否を調べて貰うと、先には居たが、今は居ない、行方は一切分からぬと云う。兎も角も....
プロレタリア文学の存在」より 著者:宮本百合子
さぐりたかったからであった。私の書いているその評論の全主旨はプロレタリア文学の存在否定でない。 一篇の評論はその全文を、一冊の本はその全頁を通して読まれ理解さ....
太宰治との一日」より 著者:豊島与志雄
水あたりからの電話だったらしい。伺っても宜しいかというのは一応の儀礼で、実は私の在否を確かめるためのものであったろうか。 「今日は愚痴をこぼしに来ました。愚痴を....
三つの嘘」より 著者:豊島与志雄
く増していたのであります。 もう十一時をすぎていました。元は召使に、子供たちの在否を尋ねますと、三人ともまだ帰宅していませんでした。それはいつものことで、三人....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
きぼう》妾に向かいて、ある遊廓に潜《ひそ》めるよし告げければ、妾先ず行きて磯山の在否を問いしに、待合《まちあい》の女将《おかみ》出《い》で来りて、あらずと弁ず。....
南国太平記」より 著者:直木三十五
判断もつくと思った。それで 「御用向は?」 「千田、中村、斎木、貴島、この四人の在否を聞いてもらいたい――居ったら、それでよい。もし居らなんだ節は――」 玄白....
肌色の月」より 著者:久生十蘭
ていない……翌、二十二日、午前八時ごろ、湖水会の管理人、石倉梅吉が自転車で大池の在否を聞きに来たので、宇野久美子は不在だと答えた。同日、十時ごろ、石倉から、大池....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
いはいったかもしれねえと、文次はこみ上げるおかしさをこらえて、なおも、主人閑山の在否、問題の鎧櫃の内容《なかみ》などをきいてみると――。 鎧櫃には具足がはいっ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
近年学術の進歩に従い、自然にその影響を人心の上に及ぼし、人をしておのずから上帝の在否、未来の有無を疑わしめたるは、その第一原因なり。毎日曜に寺に詣し、礼拝供養怠....