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地に落ちる
「地に落ちる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
地に落ちるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
さかのぼ》っていった。
風は死んだようにおさまっている。それだのに枝頭を離れて
地に落ちる木の葉の音は繁かった。かさこそと雑木の葉が、ばさりと朴《ほう》の木の広....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
事をだれが保証することができよう? また仏さまのみゆるしなくば、一ひらの花びらも
地に落ちることはないのだ。三界の中に、かつ起こり、かつ滅びる一切の出来事はみな仏....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
。その穴から涎がはじくようにほとばしって、樹の上の猴を撃った。撃たれた猴は叫んで
地に落ちると、その腹は裂けていた。蛇はしずかにその三匹を食らって、尾を曳いて去っ....
「木精」より 著者:森鴎外
はない。呼べば答えるのが当り前である。日の明るく照っている処に立っていれば、影が
地に落ちる。地に影を落すために立っているのではない。立っていれば影が差すのが当り....
「巨男の話」より 著者:新美南吉
様《ひめさま》に帰るのだよ……」といって、高い塔《とう》の上から身を投げました。
地に落ちるとただちに死んでしまいました。 白鳥は、どんなになげいたことでしょう....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
和は画面に決して愉快な調和を与えない。その白い砂地に強い日光が照りつけ、松の影が
地に落ちるとただ世界はぎらぎらとまぶしく光るだけである。大概の画かきはこれは御め....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ご》の下から腹へかけて、鰻《うなぎ》を裂くように斬られた犬が、異様な叫びを立てて
地に落ちると、もう動きません。
そうすると件《くだん》の黒い姿は、片手で軽く刀....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は真のフランス民衆に触れはしない。果実が腐っても親木は腐りはしない。腐った果実は
地に落ちるだけだ。そのうえ、そういう連中は国民としてはわずかな部分だ。彼らが生き....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、手入れをすることもいらないし、地面を耕す必要もない。ただその種子は熟すにつれて
地に落ちるので、収穫に少し困難である。ただそれだけのことだ。ちょっと手をかけてや....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
得る人間である。常人が問わずしてみすごすことを天才は問い得るのである、林檎はなぜ
地に落ちるか? これはかつてニュートンが問うまで常人のものではなかった。姦淫した....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
で、またたびたび木器の脚を噛《かじ》る。この小庭の内に桑の樹が一本ある。桑の実が
地に落ちると、彼等はとても喜んでそれを食い、ほうれん草をやっても食わない。烏や鵲....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
茂《はんも》して開花する。その茎上《けいじょう》に小珠芽《しょうしゅが》ができて
地に落ちるから、それから芽が出て新株《しんしゅ》が殖《ふ》える特性を有している。....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
『出しゃれ、出しゃれ』 おくみ『いや。いや』 (奪い取り合ううち、松明はぱったり
地に落ちる。舞台は薄闇。二人は思ず寄り添う。源右衛門の家より鉦の音。) おくみ『....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
主や五人組も附添って、町奉行所の方へ急いで行った。夜露がもう薄い露になっていて、
地に落ちる提灯の影が白かった。 北の町奉行は諏訪美濃守であった。お菊はその夜主....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
に濁った水が少し見える。このあたりは落葉松の林で、葉は僅かに色づいて、ハラハラと
地に落ちる。暗い緑の苔と、そして細かき落葉で地は見えない、その上を歩むと、軽く弾....