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地上
「地上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
地上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
含まれている。
六 天国
もし天国を造り得るとすれば、それはただ
地上にだけである。この天国はもちろん茨《いばら》の中に薔薇《ばら》の花の咲いた天....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ございます。が、あの大地震のような凶変《きょうへん》が起って、一切の社会的束縛が
地上から姿を隠した時、どうしてそれと共に私の道徳感情も亀裂《きれつ》を生じなかっ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
りも雄弁に話し出した。
「ジェズスは我々の罪を浄《きよ》め、我々の魂を救うために
地上へ御降誕《ごこうたん》なすったのです。お聞きなさい、御一生の御艱難辛苦《ごか....
「路上」より 著者:芥川竜之介
とき光彩を与えられていた。若葉も、海も、珊瑚採取も、ことごとくの意味においては、
地上の実在を超越した一種の天啓にほかならなかった。従って彼の長い手紙も、その素朴....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
鳩は女たちの手の間を縫って、時々一生懸命に痛めた羽根をばたつかせたが、どうしても
地上三尺とは飛び上る事が出来ないようであった。
素戔嗚は高い柏の上から、しばら....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
は眇《びょう》たる一クレオパトラの鼻の如何に依《よ》ったのではない。寧《むし》ろ
地上に遍満した我我の愚昧《ぐまい》に依ったのである。哂《わら》うべき、――しかし....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
にしている。「さまよえる猶太人」は、イエス・クリストに非礼を行ったために、永久に
地上をさまよわなければならない運命を背負わせられた。が、クリストが十字架《くるす....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
。従って林檎はこういう彼にはいつも「智慧の果」それ自身だった。彼は林檎を見る度に
地上楽園を思い出したり、アダムやイヴを思い出したりしていた。 しかし或雪上りの....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
の声に違いありません。杜子春は思わず、眼をあきました。そうして馬の一匹が、力なく
地上に倒れたまま、悲しそうに彼の顔へ、じっと眼をやっているのを見ました。母親はこ....
「墓」より 著者:秋田滋
えてもみて下さい。そのひとはただあなたの前から消え去るばかりではなく、永久にこの
地上からその姿を消してしまうのです、つまり、死んでしまったのです。一口に死ぬと申....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
ある。だが、知らぬ他国にあって感じる孤独が恐怖の念をいだかせた。私には自分がこの
地上にたッたひとりで生きている余りにも小ッぽけな存在だという気がした。で、私は怱....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の火、水に映じて涼しさを加え、いずこともなく聞く絃声流るるに似て清し。月あれども
地上の光天をかすめて無きが如く、来往の船は自ら点す燈におのが形を示し、棹に砕けて....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
来たばかりで、もう花崗石だの、石灰石だのという、ロンドンあたりでは見られぬものが
地上に顕われて来たので、これが地盤の下にある岩石を見るのも初めてであり、ことにフ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
に彼が丘の背を大股で歩き、洋服をばくばくと風になびかせてゆくのを見ると、貧乏神が
地上におりてきたのか、あるいは、どこかの案山子が玉蜀黍の畑から逃げだしてきたのか....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
もの。それは何ものにも係りを持たない。その足と大地との間には何のつながりも無い。
地上にうごめく生命の一片。しかも、どこから来たのか、とんと見当がつかぬその生命の....