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「地口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

地口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
窮死」より 著者:国木田独歩
へ出た。亭主《ていしゅ》は雨がやんでから行きなと言ったが、どこへ行く? 文公は路地口の軒下に身を寄せて往来の上下《かみしも》を見た。幌人車《ほろぐるま》が威勢よ....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
おあけよ」 お君があけた肱掛け窓から秋の夜風は水のように流れ込んだ。となりの露地口の土蔵の白壁は今夜の月に明かるく照らされて、屋根の瓦には露のようなものが白く....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
の約一千を下らないと言うのを見て戦慄した。 空気銃を取って、日曜の朝、ここの露地口に立つ、狩猟服の若い紳士たちは、失礼ながら、犬ころしに見える。 去年の暮に....
婦系図」より 著者:泉鏡花
るから、まだ朝御飯を食らないもの。」 「違えねえ、確にアリャ、」 と、め組は路地口へ伸上る。 六 「大分御執心のようだが、どうした。」 と、め....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
頭と足が摺って出ると、我知らず声を立てて、わッと泣きながら遁出したんです。 路地口の石壇を飛上り、雲の峰が立った空へ、桟橋のような、妻恋坂の土に突立った、この....
古狢」より 著者:泉鏡花
、レッテルの桜に白い頬がほんのりする。 「決して悪く云ったのじゃない。……これで地口行燈が五つ六つあってごらん。――横露地の初午じゃないか。お祭のようだと祝った....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
流るる道は、細き水銀の川のごとく、柱の黒い家の状、あたかも獺が祭礼をして、白張の地口行燈を掛連ねた、鉄橋を渡るようである。 爺様の乗った前の車が、はたと留った....
黒百合」より 著者:泉鏡花
屋の表町に道普請があって、向側へ砂利を装上げたから、この町を通る腕車荷車は不残路地口の際を曳いて通ることがあった。雨が続いて泥濘になったのを見澄して、滝太が手で....
家なき子」より 著者:楠山正雄
らしいことであった。わたしはあとから追いつけるようにかれを待っていた。ある暗い路地口に立って、なにしろわずかの距離しか見えなかったから、そっと口ぶえをふいた。わ....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
たのであろう? それには怪奇な事情がある。 根津仏町|勘解由店の刑部屋敷の露地口で、京助という手代から、一個の品物を奪い取って以来、碩寿翁は蠱物にでも憑かれ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
に聞きな、悪いことはいわぬ」 「といってあんまりいいこともいわぬ……とこう云うと地口になるかな」 「それそいつがよくない洒落だ。かりにも観世の御曹司が、地口を語....
経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
からやんだ。店口は人出入りが多いので、お峰親子は裏木戸から抜け出すと、文次郎は路地口に待合せていて、二人の先に立って行った。高輪の海岸は目の先である。 時刻は....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
と日本の町は随分広告の多い町だ。倒した古材木の頭にむしろを冠せたのが覗いている露地口には筍のように標柱が頭を競っている。小児科の医者、特許弁理士、もう一つ内科呼....
註文帳」より 著者:泉鏡花
緬の帯をお太鼓に結んで、人柄な高島田、風呂敷包を小脇に抱えて、後前に寮の方から路地口へ。 捨吉はこれを見て、 「や、爺さん、こりゃ姉さん、」 「ああ、今日はち....
雪柳」より 著者:泉鏡花
なんです―― 足の短い、胴づまりで肥った漢子の、みじめなのが抜衣紋になって、路地口の肴屋で、自分の見立てで、その鮪を刺身に、と誂え、塩鮭の切身を竹の皮でぶら下....