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「地大〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

地大の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
である。 翁が呆然眺め上げる福慈岳の山影は天地の闇を自分に一ぱいに吸込んで、天地大に山影は成り切った。そう見られる黝《くろず》み方で山は天地を一体の夜色に均《....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
からペンを取って、尚も考え考え封筒の上にペンを動かした。 「本所区菊川町二十三番地大内写真館、うん之でよし」 意地の悪そうな笑みを洩らして書上った封筒を眺めて....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
に勤勉な人達を作り出した。ここの畠からは上州のような豊富な野菜は受取れない。堅い地大根の沢庵を噛み、朝晩|味噌汁に甘んじて働くのは小諸である。十年も昔に流行った....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
うな人であった。半蔵らはこの客好きな名主の家に引き留められて、佐久の味噌汁や堅い地大根の沢庵なぞを味わいながら、赤松、落葉松の山林の多い浅間山腹がいかに郷里の方....
」より 著者:島崎藤村
酷い荒れ性で、皸の切れた手を冷たい水の中へ突込んで、土のついた大根を洗った。 「地大根」と称えるは、堅く、短く、蕪を見るようで、荒寥とした土地でなければ産しない....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
って何様《どう》ともすることの出来ぬような不利の証拠を遺そうようはない。前野と敵地大崎領とは目睫《もくしょう》の間であるから、或は一揆方《いっきがた》の剛の者を....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
新|島嶼を湧出した。「地理纂考」によると、「安永八年己亥十月朔日、桜島火を発し、地大に震ひ、黒烟天を覆ひ、忽ち暗夜の如し、五日経て後、烟消え天晴る、十四日一島湧....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
《ふうだい》を揺り落し、その次は火大《かだい》、その次は水大《すいだい》、最後に地大《ちだい》を揺り動かして、かくて夜明けまでには本来の大地に、生身《しょうじん....
巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
で行く芳烈な匂いは、彼の眼に青とも桃色ともつかぬ二重の蝶を幻覚させた。その蝶が天地大に姿をフォーカスし去ると、そこに二階の窓々で飾人形を掃除している並木越しの商店街を見出した。....
陳情書」より 著者:西尾正
は哀しくはないのかい、君は? 念の為にもう一度訊くが、君は高円寺一丁目の文士|青地大六《あおちだいろく》さんでしょ? ふん、ふん、そんなら焼死体は、君の家主の好....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
同で何の神社でも御神体は幣帛を前に、その後ろには必ず仏像を安置し、天照皇大神は本地大日如来、八幡大明神は本地|阿弥陀如来、春日明神は本地釈迦如来というようになっ....
墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
で、私たちはその夜十一時東京駅発の列車に乗りました。「名古屋市東区千種町高見三番地大村しん子」、これが私たちの訪問する先なのです。 名古屋駅へ着いたのは午前八....
尊攘戦略史」より 著者:服部之総
植民政策の敵として立ち植民地の解放をさえ主張した時代をうけており、それにつぐ植民地大奪取戦時代を世界はまだ経験していなかった(レーニン『帝国主義論』参照)。落目....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
望まれます。 仏教中の密教においては、物質界を分けて五つの種類にしております。地大、水大、火大、風大、空大、これであります。総称して五大(地大は堅固の性あり、....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
がなかったのとで、登攀調査することが出来なかった。いずれ他日を期したい。この辺の地大部は江畑氏の所有で、同氏は近くこれを提供して一大公園にしたいとの計画だと承っ....