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地熱
「地熱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
地熱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高山の雪」より 著者:小島烏水
から宛《あ》て嵌《は》めた名とすれば、さしたる不都合はなかろうと思われる。しかし
地熱の反射から、雪は次第に下から溶解し、上からは新しいのが供給されるから、一見不....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
しい渇きが、貴方がたを苦しめていたのでした。それに、あの辺は温泉地帯なので、その
地熱の猛烈なことと云ったら、一方凍死を助けてくれたとは云い条、そのために、一刻も....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
月世界の中に住んでいると考えられないこともない。たとえば、地中深くもぐりこんで、
地熱を利用して生活し、あるいはまた別に熱を起し、空気を作り、食物を作って相当高級....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
魚をとること、海水の中から金をとったり、貴《とうと》い薬品をつくったりすること、
地熱を利用して、発電したり、物を温《あたた》めたりすること、建築用の水成岩《すい....
「時代と人々」より 著者:宮本百合子
のではないもっと切実な、もっと真実に迫った人間感動をつたえたい衝動があって、その
地熱のようなものは、個々の人のあらゆる具体的な血管を通じてじかに歴史の鼓動ととも....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
その胸でいかに優しくおさえようとしても われわれの心に灼きついた君の屍体の屈辱が
地熱のように積み重なり 野望にみちたみにくい意志の威嚇により また戦争へ追いこま....
「片すみにかがむ死の影」より 著者:宮本百合子
の一隅は 永劫にもだしあざ笑い 大鎌の偉大なる閃きは 夜々毎に生れ返り生き変りて
地熱のとどろきと 創造の力とには向いて戦う....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
輪廻は変貌であるともいえる。 わが皮膚は苦行の道場、閨房の絨氈、 冷やかな石に
地熱を吸ふ獅子の恍惚。 われはわが頭に本より生れぬ言語を哺育み、 われは又わが心....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
名物になるには百年もかかるとすると、これは一ツの歴史的な爆発に相違ない。三宅島も
地熱が高くなって水がかれ、木がかれはじめたので、噴火が起るのじゃないかと調査団が....
「地上」より 著者:島田清次郎
の砂丘に高まっていた。薄赤い昼顔が砂上に夢のように咲き乱れていた。そうして陽熱と
地熱の照り返し合う砂丘へ満々と湛えた碧藍の海から微風がそよ/\と吹いて来た。 「....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
ような北国の海風が、終日陰気に吹きまくっていようと云うに、五百尺の地底は、激しい
地熱で暑さに蒸せ返っていた。そこには、一糸も纒わぬ裸の世界があった。闇の中から、....
「謡曲と画題」より 著者:上村松園
の姿を「砧」の絵の中に写しとってみたのであります。 想いを内にうちにと秘めて、
地熱のごとき女の愛情を、一本の砧にたくしてタンタンタンと都に響けとそれを擣つとこ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
よう。たしかにここの鳴動は“時の火山脈”の一噴口をおもわせた。 そしてまたその
地熱は、地底をとおして、河内の千早城、金剛山の噴煙ともつながっていた。 摂津、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
戦い戦い、長田村のほうへ降りて行ったものだった。――ときに陽はもう中天にあって、
地熱はおもてを焦き、汗は塩になって、どの顔も眼ばかりがらんとしていた。血、泥、草....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
はフグだけではない。 自然生態か、別府の夜はやはり別府の夜になってしまう。温泉
地熱帯生理現象がやがてぼつぼつ酒間にわいてくる。西部出版支部長のHさんなど、この....