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地物
「地物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
地物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
かに閑静であるという。成程それは好都合であると喜んでいると、三、四日の後、町の挽
地物屋へ買物に立ち寄った時、偶然にあることを聞き出した。ひと月ほど以前、わたしの....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
兵線はにわかに附近の林中からの銃火を浴びた。乃木は我の寡兵を悟らせまいとして尽く
地物に隠れさせ、発砲を禁じ、銃剣をつけさせ、満を持した。午後七時薩軍は、ふり積む....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
やえぞ松がある山の間にパルチザンが動いているのが兵士達の眼に映じた。彼等は、すぐ
地物のかげに散らばった。 パルチザンは、その山の中から射撃していたのだ。 パ....
「戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
、塹壕《ざんごう》、鉄条網、砲丸の穿《うが》った大地穴、機関銃|隠蔽《いんぺい》
地物、その他、小丘、立樹、河沼、小独立家屋など、実物どおりにそっくりできあがって....
「道標」より 著者:宮本百合子
調であるこの色は、またフランス陸軍の色でもあった。そこでおそらくこの優美な色調は
地物の色とよばれ、掩護色と云われる種類のものでもあるのだろう。
車窓のそとは次....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
と思えばいい。そして、この叙景に忘れてはならないものは、じりじりする太陽と真黒な
地物の影、女の頬と旗と植物を撫でてゆくこの高台の光風だ。 闘牛場は近い。 太....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
、道場の屋根の下に慣れた栄三郎も五分五分に往けるのだが、一度野天に放したが最後、
地物《ちぶつ》に拠《よ》り、加勢をあつめ、奔逸《ほんいつ》の剣手鬼神の働きを増す....
「異質触媒作用」より 著者:寺田寅彦
のモーターロードマップがあって、これは便利であるが、あまりに簡単でその道路と他の
地物との関係が不明であり、また最近のところまでアップ・ツ・デートにはなっていない....
「凍雨と雨氷」より 著者:寺田寅彦
も水蒸気が地上の物体に接触して生ずる露と霜と木花と、氷点下に過冷却された霧の滴が
地物に触れて生ずる樹氷または「花ボロ」を除けば、あとは皆地上数百ないし数千メート....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
日の条に、こういう記事を発見した。 四日、晴。午前七時起床。散歩。例に依りて挽
地物屋の六兵衛老人の店先に立つ。早起きの老人はいつもながら仕事に忙がしそう也。お....
「山椒魚」より 著者:岡本綺堂
宿の浴衣を着たままで表へふらりと出て行った。別に見るところというのもないので、挽
地物の店などをひやかして、駅のまん中を一巡して帰ろうとすると、女学生風の三人連れ....
「温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
静であるという。なるほどそれは好都合であると喜んでいると、三、四日の後、町の挽き
地物屋へ買物に立寄った時、偶然にあることを聞き出した。一月ほど以前、わたしの旅館....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
いであった。身幅の狭いのは職人だといってダブダブした着物ばかり着ていた。或時は無
地物に泥絵具でやたら縞を描いたのを着ていた。晩年には益々|昂じて舶来の織出し模様....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
ん中に投げられて、そこに起った波が四方に広がって真ん中に消えてしまい、その端々の
地物を背景として津軽の殿様ともなれば真野の長者ともなる。幕府の執権最明寺入道も出....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
即ち雪の結晶と霜の結晶との差は、単に雪の方は空中で核から発達したもので、霜の方は
地物から発達したものであるという点に帰せられるものである。しかし霜の場合は
地物の....