» 地腫

「地腫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

地腫の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
れると、べたりと草の上へ坐ってしまった。彼が手ひどく殴《なぐ》られた事は、一面に地腫《じばれ》のした彼の顔が、明白に語っている事実であった。素戔嗚は彼の顔を見る....
故郷」より 著者:井上紅梅
じてどんよりと黄ばみ、額には溝のような深皺が出来ていた。目許は彼の父親ソックリで地腫れがしていたが、これはわたしも知っている。海辺地方の百姓は年じゅう汐風に吹か....
越年」より 著者:岡本かの子
に聞けば直ぐ移転先きは分るだろう」 課長も驚いて膝を乗り出した。そしてもう既に地腫も引いて白磁色に艶々した加奈江の左の頬をじっとみて 「痕は残っておらんけれど....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
、熱も少しは出ていたのであったが、見たところにわかに痔瘻とも判断できぬほど、やや地腫れのした、ぷつりとした小さな腫物であった。 「痔かも知れないね。」 彼は言....
貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
縞のある反っ歯が見え、鼻の両側の溝には腫物《はれもの》が出来て、そこら一体に赤く地腫れさせている。 身動きする毎に、魚の臭いや何やら彼やらがごったになって、胸....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
箱の板を踏みつけてしまったのである。昨日から傷に熱を持って、足の甲は樽柿のように地腫れがしていた。 (これは、不可抗力な敵だろうか?) 武蔵は、釘に対しても、....