地蔵尊[語句情報] » 地蔵尊

「地蔵尊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

地蔵尊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
った美女の小まんはまた大力でもあったのでこういう唄が残っているといった。 関の地蔵尊に詣でて、私たちは峠にかかった。 満目|粛殺《しゅくさつ》の気に充ちて旅....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
には、彼の足もさすがに疲れてすくんで、もう倒れそうになってきたので、彼は路ばたの地蔵尊《じぞうそん》の前にべったり坐って、大きい息をしばらく吐いていた。そうして....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
規に拵えたんですか」 「まあ、拵えたと云えば云うのですが……。高源寺の住職の夢に地蔵尊があらわれて、我れは寺内の墓地の隅にあって、土中に埋めらるること二百余年、....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
は、参詣の順をよくするために、新たに開いた道だそうで、傾いた茅の屋根にも、路傍の地蔵尊にも、一々由緒のあるのを、車夫に聞きながら、金鶏山の頂、柳の館あとを左右に....
古狢」より 著者:泉鏡花
を負い通いて帰国した、と言伝えて、その負さりたもうた腹部の中窪みな、御丈、丈余の地蔵尊を、古邸の門内に安置して、花筒に花、手水鉢に柄杓を備えたのを、お町が手つぎ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
する処に、章魚胡坐で構えていて、おどかして言えば、海坊主の坐禅のごとし。……辻の地蔵尊の涎掛をはぎ合わせたような蒲団が敷いてある。ところを、大木魚の下に、ヒヤリ....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
んです。反対に、お誓さんが故郷へ帰った、その瑞兆が顕われたとして、しかも家の骨に地蔵尊を祭る奇特がある。功徳、恭養、善行、美事、その只中を狙うのが、悪魔の役です....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
蘆簀張の掛茶屋が、埋れた谷の下伏せの孤屋に似て、御手洗がそれに続き、並んで二体の地蔵尊の、来迎の石におわするが、はて、この娘はの、と雪に顔を見合わせたまう。 ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
しに残るものを、と言うて、黄金か、珠玉か、と尋ねさっしゃるとの。 その先生様、地蔵尊の一体建立して欲しいと言わされたとよ。 そう云えば何となく、顔容も柔和で....
慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
。ここの名物の化地蔵が口を利いてくれたら、ゆうべの秘密もすぐに判ろうものを、石の地蔵尊は冷たく黙っておわします。予は暗い心持になって、おなじく黙って突っ立ってい....
起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
た。 それは天王寺区○○町の田村克巳さんの邸宅のお庭にある地蔵さんで「阿砂龍石地蔵尊」といい、田村さんの仏壇の抽出に秘められている一巻の古い軸には、この地蔵さ....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
又おなじ語彙に、丹波中郡で社日参りというのは、此日早天に東方に当る宮や、寺又は、地蔵尊などに参って、日の出を迎え、其から順に南を廻って西の方へ行き、日の入りを送....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
彼は「挺でも動かない」のである。荷車をひいた百姓たちは、彼がそっくりそのまま石の地蔵尊でもよけるようにして傍へ片づけ、そして辛うじて通り得るのである。年頃の娘た....
謡曲仕舞など」より 著者:上村松園
た。 ○ 鼓が浦には地蔵さんが祀ってあります。伝説によりますと、この地蔵尊は昔ここの海中から上がったとのことで、堂に祀ってあるそうですが、私はとうと....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
その下に神灯ありて、その前を通過するもの一拝して去り、あたかもわが国の路傍にある地蔵尊、道祖神のごとし。 ウィーンよりダニューブ河に至るの道、八畳敷きくらいの....