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坊ちゃん
「坊ちゃん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
坊ちゃんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
上に流蘇《ふさ》の長いトルコ帽をかぶっている。
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「
坊ちゃん、スウェエタアを一つお買いなさい。」
「僕は帽子さえ買えないんだよ。」
....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
婆さんを、婆さんの内職にする花簪《はなかんざし》を。婆さんはやっと小学へ入った「
坊ちゃん」の無邪気を信じていた。が、その「
坊ちゃん」はいつの間にか本を探がす風を....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
《にんにく》でございます」と説明した。それから指を噛《か》んでいた子供に「さあ、
坊ちゃん、お時宜《じぎ》なさい」と声をかけた。男の子は勿論《もちろん》玄鶴がお芳....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
《ごぶっさん》においでになりました。」
「お路《みち》もいっしょか。」
「はい。
坊ちゃんとごいっしょに。」
「伜《せがれ》は。」
「山本様へいらっしゃいました。....
「母」より 著者:芥川竜之介
ゃく》してから、出窓の方へ歩み寄った。
「まあ、御精《ごせい》が出ますこと。――
坊ちゃんはどうなさいました?」
「うちの若様? 若様は今お休み中。」
女は編針....
「春」より 著者:芥川竜之介
ゃんと見縊《みくび》った上の打算《ださん》ではないのに違いなかった。けれどもまた
坊ちゃんと見縊らなければ、彼女ももっとこちらの内輪《うちわ》を窺《うかが》わせて....
「影」より 著者:芥川竜之介
して見せただけであった。
「まあ、気味の悪い。きっとまた御隣の別荘《べっそう》の
坊ちゃんが、悪戯《いたずら》をなすったのでございますよ。」
「いいえ、御隣の坊ち....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
《あわただ》しく襖を開けたと思うとこれも、色を失った顔を見せて、「御隠居様、――
坊ちゃんが――御隠居様。」と、震《ふる》え声で呼び立てました。勿論この女中の「坊....
「白」より 著者:芥川竜之介
、罠《わな》にかかる心配はありません。おまけに青あおした芝生には、幸いお嬢さんや
坊ちゃんもボオル投げをして遊んでいます。それを見た白の嬉しさは何と云えば好《い》....
「少年」より 著者:芥川竜之介
たように、日の光の澄《す》んだ風の中に黄ばんだ竹の秀《ほ》をそよがせている。
「
坊ちゃん、これを御存知ですか?」
つうや(保吉は彼女をこう呼んでいた)は彼を顧....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
うのでしょう。」
「人ずれはちっともしていらっしゃいませんね。」
「それは何しろ
坊ちゃんですから、……しかしもう一通《ひととお》りのことは心得ていると思いますが....
「星座」より 著者:有島武郎
* *
ガンベが「園にそうたびたびねだるのだけはやめろ、よ。あんなお
坊ちゃんをいじめるのは貴様可哀そうじゃねえか。貴様ああんまりけちだぞそれじゃ。俺....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
食う処さ。汽車の弁当でも試たまえ、東海道一番だよ。」 主税はどこまでも髯のある
坊ちゃんにして、逆らわない気で、 「いや、何か、手前どもで、め組のものを召食って....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ざりまする。」 「そうかい、此家は広いから、また迷児にでもなってると悪い、可愛い
坊ちゃんなんだから。」とぴたりと帯に手を当てると、帯しめの金金具が、指の中でパチ....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
生はいう癖になあ。ほんとうに僕、花の方がきれいだと思うもの。ね、母様、あのお邸の
坊ちゃんの、青だの、紫だの交った、着物より、花の方がうつくしいって、そういうのね....