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坐
「坐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
坐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
猫が一匹時々前足を嘗《な》めている。
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行火の裾に
坐っている黒猫。左に少年の下半身《かはんしん》も見える。黒猫も始めは変りはない。....
「影」より 著者:芥川竜之介
器を置いた陳彩《ちんさい》は、まるで放心したように、しばらくは黙然《もくねん》と
坐っていた。が、やがて置き時計の針を見ると、半ば機械的にベルの鈕《ボタン》を押し....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
何でも君のように、隅から隅まで自分の心もちを点検してかかると云う事になると、行住
坐臥《ぎょうじゅうざが》さえ容易には出来はしない。だからどうせ世の中は理想通りに....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
男は神ではありません。ただの人間に過ぎないのです。私はその船乗と、月夜の岩の上に
坐りながら、いろいろの話を聞いて来ました。目一つの神につかまった話だの、人を豕《....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ティンを含有するためなりという。
我ら会員はホップ夫人とともに円卓をめぐりて黙
坐《もくざ》したり。夫人は三分二十五秒の後《のち》、きわめて急劇なる夢遊状態に陥....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
から、それで余計話がはずむのでしょう。片岡なども、今し方あちらへ参って、そのまま
坐りこんでしまいました。」
「道理こそ、遅いと思いましたよ。」
忠左衛門は、煙....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
して行くのが見えた。
「神山《かみやま》さんはいないのかい?」
洋一は帳場机に
坐りながら、店員の一人の顔を見上げた。
「さっき、何だか奥の使いに行きました。―....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
ノばかり弾《ひ》かせるのです。もっとも夫のいる時でも、達雄はたいていピアノの前へ
坐らないことはないのですが。
主筆 そのうちに恋愛に陥るのですか?
保吉 い....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
体を抑《おさ》えていてくれ。」
彼等は互に抱《だ》き合ったなり、じっと長椅子に
坐っていた。北京《ペキン》を蔽《おお》った黄塵《こうじん》はいよいよ烈しさを加え....
「運」より 著者:芥川竜之介
鼠《なまこ》ともつかないようなものが、砂金の袋を積んだ中に、円《まる》くなって、
坐って居ります。――これが目くされの、皺《しわ》だらけの、腰のまがった、背の低い....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
婆さんの前には心配そうな恵蓮が、――いや、支那服を着せられた妙子が、じっと椅子に
坐っていました。さっき窓から落した手紙は、無事に遠藤さんの手へはいったであろうか....
「初雪」より 著者:秋田滋
けれども、彼女はそのまま家へは這入らずに、しばしの間、この凍り切った粉雪のなかに
坐っていた。そればかりではない。手に雪を掴むと、これでもかと云わぬばかりに、それ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
つも彼が教室のなかのできごとを見張るときに腰かける高い椅子に王様のようにどっかと
坐りこんでいた。その手に彼は専制君主の力を示す笏というべき鞭をふりかざしていた。....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
を見かけると、一片の麪麭をねだった。そして二人は、溝のふちにしょんぼり肩を並べて
坐って、黙々とそれを食べていた。 夫婦の悲しい身の上ばなしを聞かされた旅籠屋の....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
た。すると代官様と家来たちはちゃんと室の外までお出迎えして、朝太郎を床の間の前に
坐らせて、丁寧にお辞儀をしました。太郎右衛門は、庄屋から大体の話はきいて来たよう....