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坐る
「坐る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
坐るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
《ま》に突然短い笑い声を洩らし、日本語でこう僕に話しかけた。
「僕はもうきちりと
坐ることが出来るよ。けれどもズボンがイタマシイですね。」
四
....
「死後」より 著者:芥川竜之介
はまだ草摺《くさず》りが一枚と胴としか出来上っていなかった。
「子供は?」と僕は
坐るなり尋ねた。
「きのう伯母《おば》さんやおばあさんとみんな鵠沼《くげぬま》へ....
「春」より 著者:芥川竜之介
的に憎んでいたとも云われるほどだった。一度なども辰子は電車に乗ると、篤介の隣りに
坐ることになった。それだけでも彼女には愉快《ゆかい》ではなかった。そこへまた彼は....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ら、私はいつまでここに住んでもよい……。』 私は室を出たり、入ったり、しばらく
坐ることも打忘れて小娘のようにはしゃいだことでした。 今日から振り返って考える....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
て帳場を伴《とも》につれて厚い外套《がいとう》を着てやって来た。上座《かみざ》に
坐ると勿体《もったい》らしく神社の方を向いて柏手《かしわで》を打って黙拝をしてか....
「星座」より 著者:有島武郎
おぬいさんが小刻みに駈けるようにして母の後ろまで来ると、その蔭に倚《よ》りそって
坐るが早いか頭を下げた。園も黙って帽子を取った。その時見えた小母さんの眼には涙が....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ころよい風の肌触わりと、輝く太陽の熱とをもって彼を迎えた。彼は昔のままに石の上に
坐ると、その粗野な髭むじゃな顔を仰向けた。二つの眼の代りに、二つの黒い穴はぼんや....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ると、「いい話がある、内証だ。」といきなり女房を茶の間へ連込むと、長火鉢の向うへ
坐るか坐らないに、「達引けよや。」と身構えた。「ありませんわ。」極ってら。「そこ....
「女客」より 著者:泉鏡花
ておくのは気になります。」 時に燈に近う来た。瞼に颯と薄紅。 二
坐ると炭取を引寄せて、火箸を取って俯向いたが、 「お礼に継いで上げましょうね。」....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
く会釈をすると、お妙も、黙って差置いた洋燈の台擦れに、肩を細うして指の尖を揃えて
坐る、袂が畳にさらりと敷く音。 こんな慇懃な挨拶をしたのは、二人とも二人には最....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
十二 綿かと思う柔な背を見物へ背後むきに、その擬えし姿見に向って、筵に
坐ると、しなった、細い線を、左の白脛に引いて片膝を立てた。 この膝は、松崎の方....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
か、むずむずするの、褌へささっちゃおらんか、ひやりとするの、袂か、裾か、と立つ、
坐る、帯を解きます。 前にも一度、大掃除の検査に、階子をさして天井へ上った、警....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
は浜で鰯《いわし》がとれますよ。」と縁《えん》へはみ出るくらい端近《はしぢか》に
坐ると一緒に、其処《そこ》にあった塵《ちり》を拾って、ト首を捻《ひね》って、土間....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
も違いはないね。 金目の懸った宝なんざ、人が大切がって惜しむもので、歩るくにも
坐るにも腰巾着につけていようが、鎖を下ろしておこうが、土の中へ埋めてあろうが、私....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
と露店でも開くがごとく、与五郎一廻りして毛布を拡げて、石段の前の敷石に、しゃんと
坐る、と居直った声が曇った。 また魅せられたような、お町も、その端へ腰を下して....