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坑口
「坑口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
坑口の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
人の男女工が、坑内で蒸し焼きにされていることには、決して驚かないのだ。彼は、その
坑口の密閉が三年後にか、五年後にか開かれた時、まだ掘る部分が焼けずに残されている....
「斜坑」より 著者:夢野久作
り口まで這上って来た。 「……ほとけ……さまあああ……イイ……ヨオオオイイ……旧
坑口ぞおおお……イイイ……ヨオオオ……イイ……イイ……」 その声が耳に止まった....
「土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
れ落ちて来た。 「こういうところを見せてやりたいなあ!」 十一時頃に、井村は、
坑口にまで上ってきた。そして検査官が這入って来るのを待った。川の縁の公会堂附近に....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
。客車と車掌乗用車とは粉砕されてごちゃまぜになり、機関車の残骸と共に、一二分の間
坑口を一ぱいに塞いだ。やがてミシミシという音響を発して真ン中の部分がまず頽れ始め....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
うに扱い方によっては甚だ危険なものであるから、炭坑はこれに専用者の番号をつけて、
坑口の見張所でいちいち入坑の時に検査をさしていた。その安全燈の一つが所属不明で転....
「炎の人――ゴッホ小伝――」より 著者:三好十郎
あまあ落ちつけ。 デニス ……(ガラリと窓をあける。窓の向うに、黒く静まり返った
坑口近くの風景の一部が見える)見ろよ! 人っ子一人歩いてねえ。あんまり静かで、俺....
「三国志」より 著者:吉川英治
すぐ馬上から前かがみに、一端の鉄丸を抛りこんだ。ところが、鉄丸は趙雲の肩をそれて
坑口の土壁にぶすッと埋まった。 次の瞬間に、張※の口から出た声は、ひどく狼狽し....
「三国志」より 著者:吉川英治
しまった」 ※徳は、手足にからむ味方を踏みつぶして、ようやく坑から這い出して、
坑口から槍の雨を降らしている敵兵十人余りを一気に突き伏せ、 「韓遂っ。韓遂っ」 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
とおもわれる。坑道内の傾斜を泥の濁流が一瀉千里にながれて行ったことだろう。さらに
坑口の一台地にいた軍勢も、投石や投木に打ちひしがれ、そこもほとんど全滅的な酸鼻だ....