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坤
「坤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
坤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
に雲の帳の表にうっすり浮出で、または帳の奥に潜って見えたりする。何という大きな乾
坤《けんこん》の動きであろう。しかも音もなく。呆れた夢に痺《しび》れさせられかけ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
はただ二本三本を植棄てた、長方形の空地に過ぎぬが、そのかわり富士は一目。 地を
坤軸から掘覆して、将棊倒に凭せかけたような、あらゆる峰を麓に抱いて、折からの蒼空....
「蠅男」より 著者:海野十三
ずに睡っている糸子を間に挟んで、物凄く睨み合った。 風か雨か、はた大噴火か。乾
坤一擲の死闘を瞬前にして、身構えた両虎の低い呻り声が、次第次第に高く盛りあがって....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ないといっても、その眉宇の間に泛んでいる毅然たる決意を見ただけで、まさに彼が、乾
坤一擲の大賭博を打たんとしていることは明らかだった。間もなく、この胸苦しいまでに....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
られ、青雲に登るというやつだ。ええと夫れから九八の間取、九は艮で金気を含み、八は
坤で土性とあるから、和合の相を現している。主屋と離なれ別棟があり、白虎造りを為し....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
あう彼我《ひが》の精鋭機械化兵団が、大勝《たいしょう》か全滅《ぜんめつ》かの、乾
坤《けんこん》一|擲《てき》の一大決戦を交えることになったのである。そこで、機械....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
……あまつさえ、地震の都から、とぼんとして落ちて来たものの目には、まるで別なる乾
坤である。 脊の伸びたのが枯交り、疎になって、蘆が続く……傍の木納屋、苫屋の袖....
「死者の書」より 著者:折口信夫
り日の光りをまともに受けて、姫は正座して、西に向って居た。日は、此屋敷からは、稍
坤によった遠い山の端に沈むのである。西空の棚雲の紫に輝く上で、落日は俄かに転き出....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
奈落の底で聞くような思いをしながら、理学士は恐しい夢を見た。 こはいかに! 乾
坤別有天。いずこともなく、天|麗かに晴れて、黄昏か、朝か、気|清しくして、仲秋の....
「鵞湖仙人」より 著者:国枝史郎
には黄金の礎を据える。……真南に流水真西に砂道。……高名栄誉に達するの姿だ。……
坤巽に竹林家を守り、乾艮に岡山屋敷に備う。これ陰陽和合の証だ。……ひとつ間取りを....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
佩いてヌタクリ出で、さて大見得を切った後、 「東夷南蛮|北狄西戎西夷八荒天地|乾
坤のその間にあるべき人の知らざらんや、三千余里も遠からぬ、物に懼じざる荒若衆……....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
で洗矢で掃除をしてしまえば、それには寸毫の痕跡も止めないのだ。 俺はあの時、乾
坤一擲の大賭博を打ったのだよ。 それから、船場の自殺も、やはり、俺の書いた血み....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
りなのと二枚ある。以前はこれが一面の目を驚かすものだったが、何の年かの大地震に、
坤軸を覆して、左右へ裂けたのだそうである。 またこの石を、城下のものは一口に呼....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
して然るや否やは容易に断ずるを得ざるも、天然の嶮によりて世界と隔絶し、別に一|乾
坤をなして自ら仏陀の国土、観音の浄土と誇称せるごとき、見るべきの異彩あり。その風....
「西航日録」より 著者:井上円了
内にありて砲台を望むに、金城鉄壁もただならざるなり。 山勢屹然千仞余、砲門高構圧
坤輿、金城鉄壁独難比、恐是当初帝釈居。 (山の形はけわしくそびえたつこときわめて....