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型の如く
「型の如く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
型の如くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
あわ》くただよっていた。外記の前には盃台が置かれて、吸物椀や硯蓋《すずりぶた》が
型の如くに列《なら》べてあった。 相手になっているのは眉の痕のまだ青い女房で、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いたことのない椿事であるから、人々はいたずらに慌て騒ぐばかりであったが、それでも
型の如く届け出て、型のごとくに検視を受けた。 僧ふたりの亡骸は住職と納所に相違....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で、いっさいを内分に納めることにした。主人久兵衛は急病頓死と披露して、ともかくも
型の如くに葬式を済ませた。お節の死骸は遂に発見されなかった。 こうして一旦は納....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
塚検事に依って起訴されると、即日予審判事|古我清氏によって第一回の訊問を受けた。
型の如く住所氏名職業等を問質した後、判事は厳然として前科を述べよと云った。 支....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
少し奇怪でした。第一にいぶかしいのは、鳥刺しの癖に鳥を刺そうとしていないのです。
型の如くトリモチ竿の長いのを手にしてはいるが、枝にも梢にも雀がいるのに一向刺そう....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
が屠場へ引かれて来た。 屠牛の三 赤い牝牛に続いて、黒い雑種の牡も、
型の如くに瞬く間に倒された。広い屠場には三頭の牛の体が横たわった。ふと板塀の外に....
「連環記」より 著者:幸田露伴
いうのが定まりであるが、寂心の事を記したのは、それで終っていない。東山如意輪寺で
型の如くに逝いた後、或人が夢みた。寂心上人は衆生を利益せんがために、浄土より帰り....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
同じような姿勢をとった。彼は一同に命じて息を正しくととのえさせた。 やがて彼は
型の如くにコクリサマを呼びはじめた。同じ呼びかけをくりかえす。声が高まる。一同は....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ちから焼香が行われていたから、彼が棺桶に横たわって間もなく、一順の焼香を終える。
型の如くに喪主の清作と外孫の当吉(十三)金次(十)が現れてフタをとじてクギをうっ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
誰も居なくて、お膳の物がカラになってるだけのことさね」 例年通りのことが今年も
型の如くに行われただけで、他に変ったこともなかったようだ。また法事のお客たちの方....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
ると、実家の方へは戻って来ないということであった。数珠屋では娘の死骸を引取って、
型の如くに葬式をすませた。 それにしても不思議なのは、その日の夕方にお兼が自分....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
から三日目のことで、この日も初秋らしい風が吹いて空は青々と晴れていました。読経が
型の如くに済んで、一対の人形がようやく灰になった時に、病院から使いがあわただしく....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
にして食ったりするのがでてくるが、日本の軍記は温和で、チャンチャンバラバラまでは
型の如くだが、しつこい憎悪はでてこない。しつこい殺し方はでてこない。その代り、殺....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
であった。 その白衣観音は今日から考えても別段目先の変ったものではなく、従来の
型の如く観音は置き物にするように製作えましたが、厨子などは六角形塗り箔で、六方へ....
「海にふぐ山にわらび」より 著者:北大路魯山人
うが、差当って私はわらびと言いたい。わらびはもちろん取りたてでなければいけない。
型の如くゆでて灰汁を抜き、酢醤油で食う。これが実に無味の味で、味覚の器官を最高度....