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垢光り
「垢光り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
垢光りの前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一九三二年の春」より 著者:宮本百合子
して笑いながら、首をすくめて見せた。 女のいれられている第一房は三畳の板敷で、
垢光りのするゴザが三枚しいてある。鈍い電燈の光を前髪にうけ、悄然として若い女給ら....
「骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
えた。 中に這入ると居間兼台所と土間と二室しかない。その暗い三坪ばかりの土間に
垢光りする木机と腰掛が並んで右側には酒樽桝棚、左の壁の上に釣った棚に煮肴、蒲鉾、....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
はバタで汚れてピカピカ光っている。食事がすむと椀は舌で舐めておく。客でもあると、
垢光りのする長い袖でグイと椀の縁を拭いて茶を注いですすめる。西蔵人ほどの不潔な人....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
たんで、拾って来たが」 と、赤地錦の――といっても余りに古びて金襴の光よりは、
垢光りの方がよけいにする巾着の耳を抓んで、武蔵の顔の前へ出した。 武蔵は、顔を....