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垢抜け
「垢抜け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
垢抜けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
時に、おれの眼についたのは藤助という奴だ。越後か信州者だろうが、米搗きにしちゃあ
垢抜けのした野郎だ。あいつの身許や行状を洗ってみろ」 「あいつが曲者《くせもの》....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
無いので、庄太に案内させて聖天下《しょうでんした》へ出かけて行く途中、二十七八の
垢抜けのした女に逢いました。丁度にそこへ河豚太鼓を売る商人《あきんど》が通りかか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
却って話がうまく運ぶと見えて、いい玉を掘り出して来るという噂です。年は三十五で、
垢抜けのした女ですよ」 「番太郎へ次郎兵衛をたずねて来たのは、そのお葉だな」 「....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に、若い女の生首が晒してありました。女は年ごろ二十二、三で、顔にうす痘痕はあるが
垢抜けのしたいい女。どう見ても素人らしくない人相、髪は散らしているので、どんな髷....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
後家のお直と娘との二人暮らしである。そこへ転がり込んだ紋作は年も若い、芸人だけに
垢抜けもしている。したがって近所では彼とお浜とのあいだに、いろいろの噂を立てる者....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
二人の児の母親で、その燃立つようなのは、ともすると同一軍人好みになりたがるが、
垢抜けのした、意気の壮な、色の白いのが着ると、汗ばんだ木瓜の花のように生暖なもの....
「新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
方はやわらかく感じるが、あの女は格別新しいとは思わないね。 かの子 ただ何となく
垢抜けした感じがします。あれは散々今の新しさが使用し尽された後のレベルから今|一....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
待ち受けて居たのであろうにこにこと出迎えた。彼女は日本で言うとそれ者上りのように
垢抜けのした、白ちゃけた感じのする面長の美人で白髪交りの褐色の頭髪を後で手際よく....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
っぽい荒削の木材の生なましさや、俗々しいペンキ塗り立ての感じはなく、この界隈では
垢抜けした装飾の店だった。 豹吉はハナヤの前で再び腕時計をみた。十時……。 「....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
閉める――そしてそれから……そんな昨日と同じコースを、再び、くりかえすほど信吉は
垢抜けしない男ではなかった。 「――煙草って好奇心で喫むものじゃないからね。喫ま....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ると面白い、馬鹿に気に入った、痛快ということだ。」 金之助は色気のない※をし、
垢抜けのした目のふちに色を染め、呼吸をフッと向うへ吹いて、両手で額を支えたが、 ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
。と見ると芳紀二十三? 四。目色に凛と位はあるが、眉のかかり婀娜めいて、くっきり
垢抜けのした顔備。白足袋の褄はずれも、きりりと小股の締った風采、この辺にはついぞ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
のだと私は思った。 もう二幕ぐらいで閉場になるという頃に、背の高い、四十以上の
垢抜けのした人が我々のところへ廻って来て、二十五銭ずつを集めていた。その時には何....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
と暗に匂わして他の文人の下等遊びを冷笑していた。壱岐殿坂時代の緑雨はまだこういう
垢抜けした通人的気品を重んずる風が残っていた。 簾藤へ転じてからこの気風が全で....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
た。全国にわたって、伯爵に対する人気は、しだいに盛り上がる勢力となっていた。彼の
垢抜けた容姿が、民衆の幻想を捉えたためだと見える。彼は寛大だし、親切だし、おまけ....