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「埋め合わせ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

埋め合わせの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
子はそれを知って有頂天《うちょうてん》になった。そして倉地が忍ばねばならぬ屈辱を埋め合わせるために葉子は倉地が欲すると思わしい激しい情欲を提供しようとしたのだ。....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
回の名月騒動が、あのとおりあっけなさすぎるほどぞうさなくかたづきましたので、その埋め合わせというわけでもありますまいが、事の端を発しましたのは、あれから五日とた....
街底の熔鉱炉」より 著者:佐左木俊郎
私に、自分の家の留守をさせるなんて……」 「本当だわ。あんまりだわ。」 「私は、埋め合わせをしてもらわなくちゃ。言って見れば、あの人と、房ちゃんのためなんだから....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
んなことなら黙っていないで、どしどし言い籠《こ》めて隙《ひま》あ潰《つぶ》さした埋め合わせに、酒代《さかて》でもふんだくってやればいいに」 「ええ、めっそうな、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
蔵はほっとしたように云った。 「ほんとうに堪忍しておくんなせえ。そのうちに何かで埋め合わせをするから」 「どう致しまして、恐れ入ります。じゃあ、これで御免を蒙り....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
つ頓死をしねえとも限らねえ」 「ようがす、わっしも今度は真剣になって、この正月の埋め合わせをします」 「まあ、うまくやって見てくれ」 熊蔵を帰したあとで、半七....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
前代未聞の奇蹟であるかのように、江戸の人々が不思議がって云いはやしていると、その埋め合わせというのか、あくる年の文久二年の春には、正月の元旦から大雪がふり出して....
先生への通信」より 著者:寺田寅彦
なんともありませんか」と意地の悪いことをきくと女はただ苦笑していました。私はその埋め合わせのようなつもりで、絵はがきを少々ばかり買ってやりました。そうして白銅一....
電車の混雑について」より 著者:寺田寅彦
電車に乗るような方針をとるのが捷径である。これがために失われた三十秒ないし二分の埋め合わせはおそらく目的地に着く前にすでについてしまいそうに思われる。 しかし....
災難雑考」より 著者:寺田寅彦
にも地球物理的にも比較的にきわめて平穏な条件のもとにおかれているようである。その埋め合わせというわけでもないかもしれないが、昔から相当に戦乱が頻繁で主権の興亡盛....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
は始終物|自爾がくっついてるのだから驚いた次の刹那にはその方へ回って、その驚きを埋め合わせるほどの静けさが味わいたい」と私がいった。 「それは理知の快味だ。驚い....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
五日、一日も欠かさず、お前たちの生命は俺のものだという意味の、愚劣な、そしてその埋め合わせといわん許りに長ったらしい、同じ演説を、朝夕二回ずつ呶鳴り散らして、年....
鮪を食う話」より 著者:北大路魯山人
ってきてはやりきれないが、「さびなしで……」なんという衛生的|食道楽もあるから、埋め合わせはつくというものである。 しかし、まぐろはちょっと臭い癖のあるもので....
天下一品」より 著者:小川未明
と、ほんとうに取り返しのつかない、失敗をしたと気づきました。彼は、どうかしてこの埋め合わせをしなければならぬと思いました。 「村の大尽に、高く売りつけてやろう。....
石をのせた車」より 著者:小川未明
るほどしかなかった。分けまえどころか、おまえから昨日の分けまえをもらわなけりゃ、埋め合わせがつかない。それがいやなら、この宿からさっさと外へ出てゆけ。」と、怖ろ....