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執る
「執る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
執るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ない星明かりに透かして見れば、太刀《たち》をはくもの、矢を負うもの、斧《おの》を
執るもの、戟《ほこ》を持つもの、皆それぞれ、得物《えもの》に身を固めて、脛布《は....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
もう一刻の存在も苦痛なほど、切迫して参りました。ここで私は、ついに断乎たる処置を
執る事に、致したのでございます。
そう云う必要に迫られて、これを書いた私が、ど....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
そうな。 ◯井上康文君の詩、昨二十五日夜放送さる。いやな気がした。われら当分筆を
執るまい。 ◯中川八十勝君、昨夜郷里広島へ出発。家族は大竹ゆえ、たぶん心配はない....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
である。これは直接書記と区別せねばならない。前者にありては、霊媒はペン又は鉛筆を
執るか、若くは片手をプランセットに載せるかすると、通信が本人の意識的介在なしに書....
「白光」より 著者:井上紅梅
月はすでに西高峯の方面に隠れ去った。町を去る三十五里の西高峯は眼の前にあり、笏を
執る朝臣の如く真黒に頑張って、その周囲にギラギラとした白光は途方もなく拡がってい....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
を招くこともあるべければ、それらの情冷かになりそれらの譏遠くなりての後にまた筆を
執ることを楽むべし。....
「「草紙洗」を描いて」より 著者:上村松園
電燈がついている、さてはまだ描いているなと思いまして、わたくしも負けずにまた筆を
執るという工合で、母子競争で制作に励んだわけでした。 松篁もなかなか熱心でしたが、さて出来栄えはどんなものですか――....
「靄の彼方」より 著者:上村松園
も、決して楽しみでないとはいえないと思います。 ですが、私がもし現代風俗に筆を
執るとしたら、私はどんな風にこれを取り扱い、どんな風の表現によるのでしょうか、そ....
「迷彩」より 著者:上村松園
えるのもどうかと考えまして、そのまま用いますが、性に合わない絹へ描くことは、筆を
執るものとして難儀なことの一つです。しかし絹がどうあろうと、作家としては、粗末に....
「虹と感興」より 著者:上村松園
双には中年の婦人を用いました。 前に感興のことをちょっと述べましたが、私たち筆
執るものには、この感興は非常に大事なことで、感興の高さ、深さの如何によって、作品....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
。二葉亭も一つの文章論としては随分思切った放胆な議論をしていたが、率ざ自分が筆を
執る段となると仮名遣いから手爾於波、漢字の正訛、熟語の撰択、若い文人が好い加減に....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
には到らざりしをもて、筆を執りて文を草することも出来しなり、されどこのごろは筆を
執るも慵くてただおもひくづをれてのみくらす、誠にはかなきことにこそあれ。」 「反....
「西航日録」より 著者:井上円了
日より炎威相加わり、宛然三伏を迎うるがごとし。ときどき惰気眠りを促しきたり、筆を
執るにものうし。ただ終日、甲板上に横臥するのみ。余よっておもうに、人の脳漿はバタ....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
。全で落語家の咄しっても無いです。が、綸はまだ着いてましたので、旦那は急いで綸を
執る、私は苫を解すで、又二度めの戦争が始まりましたが、どうかこうか抄い上げました....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
でなかったため第一次欧州大戦だけの大軍は戦っていないが、必要に応じ全健康男子銃を
執る準備も列強には常に出来ている。 日本は極東の一角に位置を占め、対抗すべき陸....