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執刀
「執刀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
執刀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ころ》を医員に取られながら、その香《にお》いを薄気味わるくかいだ。
「ひとーつ」
執刀者が鈍い声でこういった。
「ひとーつ」
葉子のそれに応ずる声は激しく震えて....
「生きている腸」より 著者:海野十三
た二十四歳の処女である交換手のものであった。彼女は盲腸炎で亡くなったが、そのとき
執刀したのは熊本博士であったといえば、あとは説明しないでもいいだろう。 処女の....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
でにそれらの医師だちにも興味的に知られているらしい葉子は、入院最初の一日の間に、
執刀者のK――博士にも甘えられるだけの親しみを感じていたが、庸三と一言二言話して....
「女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
《リッパア》のジャック」が、かなり的確な解剖学的知識の所有主であり、また経験ある
執刀《しっとう》家であることは疑いをいれない。彼は確実に子宮の位置を知り、かつ、....
「刻々」より 著者:宮本百合子
な命がけの手術をするのに、そこを切れ、あすこを切れと、指図されるような不熟練者が
執刀した。手術後、ガーゼのつめかえの方法をいい加減にしたので、膿汁が切開したとこ....
「大脳手術」より 著者:海野十三
× × 以上は、第三十四号室の患者○○○○氏の手記である。同氏は本日余の
執刀によって大脳手術を受けることになっているものであるが、氏の錯倒精神状態はこの....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
物の死骸が、白い担架の上から、解剖台の上にのせられた。 「おい。甲斐博士。ここで
執刀するのかね」と、隊長が聞いた。 「はい。ここの方がよろしゅうございます。静か....
「太宰治との一日」より 著者:豊島与志雄
宰としては厭だったろうと思われるのに、案外、彼は興味を持って、其後、よそで、自ら
執刀し、そこら中を血だらけにしたという。私はそれを聞いていたし、前回の失敗を取返....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
前述の理由によって、大学に送って解剖に付することになった。法医学の権威笠神博士が
執刀される筈だったが、都合で宮内助教授がそれに当ることになった。 新聞で見ると....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
解剖台のすぐ前の席に腰を下ろした。その後から大きな鞄を持った助手を従えて、今夜の
執刀者である警察医が入ってきた。 それにつづいて運搬車のうえに載せられて、屍体....
「アリゾナの女虎」より 著者:牧逸馬
刻ダヴィッドスン警部とライアン刑事は、変死人収容所で、郡警察医A・F・ワグナアの
執刀した二人の女の屍体解剖に立ち会った。 大理石の解剖台の上に、沙漠の国アリゾ....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
A・ブルック立合い、聖マテオ駐在合衆国海兵隊軍医W・C・チャイデスタア少佐が翌朝
執刀と決まった。 すると、聖《サン》マテオのジョン・レノック巡査というのが、一....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
医者でいる子供たちも、父は健康で長命して、老衰で終ったとばかり思っていましたら、
執刀せられた博士たちは、人間は老衰だけで終るものではない、昔結核を患った痕跡もあ....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
が、肺臓には、明かに窒息の徴候があらわれて居りました。通常法医学的解剖の際には、
執刀者が所見を口述して、助手が之を筆記するのですが、この腸管拷問法の行われる際に....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
むらと踊りあがる。併し私は博士が怖ろしかった。 「殊にも君は手先が不器用だから、
執刀の練習をしっかりやって置かんと、外科医になどなれんぞ」 「はっ!」 私はか....