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堅実
「堅実〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
堅実の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
けてみろ。……何んといってもそこに行くと星野は話せるよ」
ガンベは実際どこかに
堅実なところがあって、それが言葉になるとうっかり矢面には立てなかった。今の言葉に....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
もいつかは動き行くべき所に動いて行くであろうから。そしてその動き方の方がはるかに
堅実で自然であろうから。労働者はクロポトキン、マルクスのような思想家をすら必要と....
「競馬」より 著者:織田作之助
力量、人気共に第一位の馬)だけを、三着まで配当のある確実な複式で買うという小心な
堅実《けんじつ》主義の男が、走るのは畜生《ちくしょう》だし、乗るのは他人だし、本....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
軍隊を簡単に撃破して、長駆モスコーまで侵入したのであるが、これはナポレオン軍隊の
堅実な行動半径を越えた作戦であったために、そこに無理があった。従ってナポレオン軍....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
なのに反して、亜太郎自身の画風はどちらかと云うと穏健で、写実派の白亭の門人だけに
堅実な写実的画風を以てむしろ特異な新人として認められていた。ところが度々云うよう....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
を一羽ずつ色絵に染めた誂えで、着衣も同じ紋である。が、地は上下とも黒紬で、質素と
堅実を兼ねた好みに見えた。 しかし、袴は、精巧|平か、博多か、りゅうとして、皆....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
々として教え導くにつとめた。当時一般世人から軽蔑されたスピリチュアリズムが、漸く
堅実なる地歩を、天下に占むるに至ったことにつきてはモーゼスの功労が、どれ丈け与っ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
その箱を持って来たり、持って行ったりして、物静かに立ち働いている。すべてが地味で
堅実らしい。その店へよく母に連れられて行った。それをしっかり覚えているのである。....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
彼は江戸へ帰ってからも、危険な仕事へは手を出さず、地所を買ったり家作を設けたり、
堅実一方に世を渡ったが、それも今から数年前までで、総領の吾市に世を譲ってからは、....
「S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
経済にきまつている。自然、洋風生活は、しやれてはいるが実用向きでないことになり、
堅実な市民の生活と縁遠いものになり勝ちです。 当節のバラツク生活、集団生活の実....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
好織で仕立上がりを畳へ立てたら、崩れずにピンと立つでもあろうか、高尚と高価と粋と
堅実とを、四つ備えた織物として、この時代の少数の貴人たちが、好んで用いた品である....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
養であらねばならぬ。日本の現代文化はあまりに急速に発展せしため、その根底において
堅実を欠く憾みがある。これを培養充実するには古典の普及に俟つところが多い。古典は....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
真に寥々晨星であった。が、同時にこの二篇に由て初めて崇高なる文学の意義を了解し、
堅実なる新らしい文学の基礎を固め、もしくは感激して新文芸の開拓を志すに至ったもの....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
の鉱山師は、もう通用しなくなったね。しっかりした技術的な腕もあり、度胸もあって、
堅実な途を踏む新しい型の鉱山師を産むところまで、時代が来ている」 おそらく土田....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
。 彼はこの思想を全ドイツ軍に徹底するため熱狂的努力を払った。彼の思想は決して
堅実とは言われぬ。彼の著述した戦史研究等も全く主観的で歴史的事実に拘泥する事なく....