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堅苦しい
「堅苦しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
堅苦しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の戯れにはなんのおもしろみもなさそうな古藤、木村に対してといわず、友だちに対して
堅苦しい義務観念の強い古藤、そういう男に対して葉子は今までなんの興味をも感じなか....
「猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
費用はむろん、全部わしのほうで出してあげるがね。……もっとも、近ごろの新しい女は
堅苦しい女房よりも気楽な妾宅《しょうたく》暮らしのほうを望んでいるそうだが……」....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
い。すッかり私におまかせ下さい」と、僕は男らしく断言した。 「しかし」と、主人が
堅苦しい調子で、「世間へ、あの人の物と世間へ知れてしまっては、芸者が売れませんか....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
郎様ね、それあの厭な気の詰るお方で、私も御奉公して居るうち見ましたが、偏屈な嫌に
堅苦しいね嫌な人で、実に困った訳でございますけれども、否と言切る訳にも往きません....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
も無駄なところがなく、簡単で、はっきりしていました。ちゃんと礼儀は守られていて、
堅苦しいところがないのです。しゃべることは、話す方も楽しければ、聞く方も気持よく....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いうことは、矢張り御両親のお許諾を得た方がよい……。』どうせ私の申すことはこんな
堅苦しい話に決って居ります。これをきいて敦子さまは別に反対もしませんでしたが、さ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
訳筆は努めて意訳を避けて、原文に忠ならんことを期した。しかも原文に拠ればとかくに
堅苦しい漢文調に陥るの弊あり、平明通俗を望めば原文に遠ざかるの憾みあり、その調和....
「母の上京」より 著者:坂口安吾
苦しみ、といふふるさとがある。 夏川の母はもう七十をすぎた年だが、田舎の武士の
堅苦しい躾の中で育つた人で、中学時代の夏川は漢文の復習予習を母についてやらされた....
「巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
ような一掴みの建物だ。 春は陰影で煮〆たようなキャフェ・マキシムでもなかろう。
堅苦しいフウケでもなかろう。アメリカの石鹸臭いアンパはなおさらのことだ。ギャルソ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
方はこれ幸いで、ききたいと思ってるわけではないがね」 「まアさ。長さんは相変らず
堅苦しいね。それで女にもてるんだから。アッハッハッ」 ひとしきり笑いたてて、真....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
さえあった。 然し、少し宛接近して行くうちに、博士には陰気の裏には誠意があり、
堅苦しい反面には慈愛があり、無愛想の一面には公平無私のあることが、だんだん分って....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ますようにと、おすすめしたのでございますよ。するとどうでしょう兄上には、『武家の
堅苦しい娘などよりも、砕けた市井の女のほうが、わしにして、その実は放蕩に溺れられ....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
此の有名な漫画家の描いた文豪の似顔画はあまり出来のいいものではなかった。臆した
堅苦しい写生の上に無理に戯画的のものをつけ加えたちぐはぐの部分が景子達にも判った....
「婦人の過去と将来の予期」より 著者:小川未明
て交際の自由が唱道せられた時分である。それまでは、男女席を同うせずといったような
堅苦しい旧道徳の束縛が、互に物を言ったり、交際するのをすら障げていた。これに対す....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
鑼が鳴る。 * 煌々たる食堂。それが却って明る過ぎて、何か今夜は
堅苦しい。誰でもが緊張して、以前とは様子が違っている。それは、札幌鉄道局の役人た....