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堕する
「堕する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
堕するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:太宰治
ん》、または、淫祠《いんし》邪教のお筆先、または、ほら吹き山師の救国政治談にさえ
堕する危険無しとしない。 それらの不潔な虱《しらみ》と、私の胸の奥の白絹に書か....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
性的な連想の手段と見たりする時、その時に限って、映画のエロティシズムは煽情主義に
堕するのである。 で映画の感覚主義(映画特有の芸術的地盤はここにある)は、エロ....
「読書法」より 著者:戸坂潤
ならぬ、ということになる。 すると、「大資本の株式会社であると、すぐ資本主義に
堕するように思えるが、科学主義工業下の資本は、資本主義下の資本と異り、情実と私利....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
ば、それはあまりにしばしば無用な重複に陥り、またあまりにわずらわしき些末の詮索に
堕するほかはないであろう。たとえそれは読者の寛容を得るとしても、編集者から私に与....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
用意的なものである。道徳が不純になり、固形体になるのは主として social に
堕するからではあるまいか。精醇な、流動的な、光を発するような道徳は必ず自己内面の....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
もなお之を抜け出ようとする境地を指して仏典では「世」と云っている。こうした俗間に
堕することが「世間」「世の中」の意味だ。で「人々が社会を世間・世の中として把握し....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
こういう風に準備哲学のことと見做している。そうでなければスコラ的な学術僧院用語に
堕する他ない。 さて認識は普通、哲学学術的常識では、科学的認識のことを指すよう....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
出すことになると、それは文学などの世界では極めてありふれた尤もらしい卑俗な常識に
堕するのであって、それがそのままの卑俗さを蔽いかくすためにアカデミックな外被など....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
の学術的価値を保てるかどうか、寧ろその被覆のない真価を暴露して俗流の講話の段階に
堕するものがないかどうか、それは保証の限りではないが。――この時大学はその可なり....
「最近日本の科学論」より 著者:戸坂潤
ュースの提供という意味での科学ジャーナリズムではない。科学随筆(?)の如きものに
堕する傾きもなくはないが、それとても単なる全盛の一余波につきるわけではない。現象....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
仏も必ずやゆるし給うことと信じます。 しかしこれとて度を越す時は、道楽と虚栄に
堕する危険があります。かえりみて警戒すべきことです。 また年に一、二回の観劇会....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
、その人物の理想像を先ず描いてみなければならないのに、その理想像が、一種の類型に
堕するということは、文学的な人間研究が不十分で、常識の範囲に止っているからです。....
「書について」より 著者:高村光太郎
らそうであるから、もともとそういう性来を持たない者の強引の書となると多くは俗臭に
堕する傾がある。意地ばかりで出来た字、神経ばかりで出来た字、或は又逆に無神経ばか....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
た――すなわち、情勢の教えるごとく、もし彼がいわゆる「王公から私利を収める」輩に
堕することを潔しとしないなら、たしかに彼はチャアトレイの荘園に引き込んで読書と狩....
「囚われたる現文壇」より 著者:小川未明
いているわけでもない。要するに、作者自身の生活に感激がないから、その作品が凡庸に
堕するのである。私は現実というものがそんな平凡無味なものと信じないと共に、また如....