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堪る
「堪る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
堪るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
兜を探ると、め組はどんぶりを、ざッくと叩き、 「心得てら。」 「お前に達引かして
堪るものか。」 「ううむ、」と真面目で、頭を掉って、 「不残叩き売った道具のお銭....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
大の不徳義だ、不都合きわまった話だ。婿をとる側になってみたまえ、こんなことされて
堪るもんか」 こう言うのは深田|贔屓の連中だ。 「そうでないさ、省作だって婿に....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
、お舞いなさい、お唄いなさい、私、私は泣死に死ぬんです。 公子 死ぬまで泣かれて
堪るものか。あんな故郷に何の未練がある。さあ、機嫌を直せ。ここには悲哀のあること....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
か、遊蕩とかで行留りになった男の、名は体のいい心中だが、死んで行く道連れにされて
堪るものではない。――その上、一人身ではないそうだ。――ここへ来る途中で俄盲目の....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
「――おのれ、また打擲をせいでおこうか――」 「――ああ、いかな、かながしらも
堪るものではない――」 「――ええ、苦々しいやつかな――」 「――いり海老のよう....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
え、薄情とは思いません。 早瀬 誓ってお前を厭きはしない。 お蔦 ええ、厭かれて
堪るもんですか。 早瀬 こっちを向いて、まあ、聞きなよ。他に何も鬱ぐ事はない、こ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
よ。 (軍歌でもやるならまだの事、子守や手毬唄なんかひねくる様な奴の、弁当持って
堪るものか。) と吐くでねえか。 奴は朋友に聞いた、と云うだが、いずれ怪物退....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ぬぜな。」と襟の処で、塗盆をくるりと廻す。 「飛んだ合せかがみだね、人死が出来て
堪るものか。第一、芸妓屋の前へは、うっかり立てねえ。」 「なぜえ。」 「悪くする....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
一口がぶりと茶を飲んで、 (詰らぬ事を……他所へ来た電報に、一々気を揉んでいて
堪るもんですか。) (でも、先刻、この電信が参りました時、何ですか、お顔の色が…....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
。楽屋で皆がせりあって、ようよう私が、あの私のを上げたんですもの。他人に敷かれて
堪るものかね、お帰りよ、お帰り遊ばせよ。あなた!」 「何でえ、乞食の癖に、失敬な....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ん、あれを滅多に使っちゃあ悪うござんす。」 「蝮の針だ、大事なものだ。人に見せて
堪るもんか、そんなどじなこたあしやしないよ。」 「いかがですか、こないだ店前へ突....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
。がそれは千年! 五百年、五十年、日月の築いた一種の橋立です。 いきなり渡って
堪るものですか。 聾ひがみの向腹立が、何おのれで、渡をききも、尋ねもせず、足疾....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
て腰を捻って、戸外へ衝とその兀頭を突出すや否や、ぱッたり閉めて引込ました、何条|
堪るべき、雫はその額から、耳から、頤の辺から、まるで氷柱を植えたよう。 かかる....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ねえ、折角ですが嬉しくねえッて。いや、滅相、途轍もねえ、嬢的にそんなこといわれて
堪るもんか、ヘッ、」 と頸を窘めたが、 「内証だ、嬢的にゃ極内だがね。旦の野郎....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
に打てらあ。いや、もうてっきり疑いなし、毛頭違いなし、お旗本のお嬢さん、どうして
堪るものか。話のようじゃあ念が残らねえでよ、七代までは祟ります、むむ祟るとも。 ....