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堪忍
「堪忍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
堪忍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
ろかったものですから、つい調子に乗って悪戯《いたずら》をしたのです。どうか旦那も
堪忍《かんにん》してください。」
三
僕はこの先を話す前にちょっと河童とい....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
を引いたのだろう。翌日からかれこれ三日ばかりは、ずっと高い熱が続いて、「あなた、
堪忍《かんにん》して下さい。」だの、「何故《なぜ》帰っていらっしゃらないんです。....
「或る女」より 著者:有島武郎
わりな、……そら、五本の骨でしょう」
とさびしく笑った。
「それですものどうぞ
堪忍《かんにん》してちょうだい。思いきり泣きたい時でも知らん顔をして笑って通して....
「或る女」より 著者:有島武郎
さいましたけれども……」
葉子の思いは胸の中で煮え返るようだった。
「もういい
堪忍《かんにん》してくださいよ。ねえさんがやはり至らなかったんだから。おとうさん....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
を寝言のようにいうのを、始めの間は聞き直したり、補ったりしていたが、やがて場主は
堪忍袋を切らしたという風にこう怒鳴《どな》ったのだ。仁右衛門は高笑いの一とくぎり....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
ぞ》きぬ。白糸はさっと赧《あから》む顔を背《そむ》けつつ、 「ああもうたくさん、
堪忍《かに》しておくれよ」 「滝の白糸というのはおまえさんか」 白糸は渠の語《....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「あらまた、厭ねえ、貴下は。後生ですからその(お米は幾干だい、)と云うのだけは
堪忍して頂戴な。もう私は極りが悪くって、同行は恐れるわ。」 「ええ、そうおっしゃ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
また、ひょいと上って、ひょこひょこと足で拍子を取る。 見返りたまい、 「三人を
堪忍してやりゃ。」 「あ、あ、あ、姫君。踊って喧嘩はなりませぬ。うう、うふふ、蛇....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
の分際で、宗家の、宗の字、この道の、本山が凄じい。 こう、按摩さん、舞台の差は
堪忍してくんな。」 と、竊と痛そうに胸を圧えた。 「後で、よく気がつけば、信州....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、雌浪を柔に肩に打たせた。 「大目玉を頂きましたよ、先生に。」 「もうどうぞ、ご
堪忍。」 「いや、お詫びは私こそ、いわばやっぱりあなたの罰です。その「浅ましい」....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
い声を出しました。 「計略は駄目だったわ。つい私が眠ってしまったものだから、――
堪忍して頂戴よ」 「計略が露顕したのは、あなたのせいじゃありませんよ。あなたは私....
「狂女」より 著者:秋田滋
。 「奥さんは起きるのがお厭なんです。旦那、起きるのは厭だと仰有るんです。どうぞ
堪忍してあげて下さい。奥さんは、嘘でもなんでもございません、それはそれはお可哀相....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
。」 と、襖を開けてその六畳へ入ると誰も居ない、お縫は少しも怪しむ色なく、 「
堪忍して下さい。だもんですから、」ずっと、長火鉢の前を悠々と斜に過ぎ、帯の間へ手....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ね。) お優さんは、肌襦袢を括った細い紐で、腰をしめて、 (汗があってよ、……
堪忍ね。) 襟を、合わせたんですが、その時、夕顔の大輪の白い花を、二つうつむけ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
ばしたかしらの腰に縋りて、口説きたるには、泰助も涙ぐみぬ。 美人はまた、「あれ
堪忍して下さいましよ。貴女は仮にも母様、恨みがましいことを申して済みませんでした....