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堰堤
「堰堤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
堰堤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「軽井沢」より 著者:寺田寅彦
があばれだすと手がつけられないことを忘れがちである。全国至るところにある発電所の
堰堤のどれかが、たとえば大地震のためにこわれたら、その時には人間の弱さがはっきり....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
、これでしょう――と、導いて行くような声であった。
今になっても、身分の隔りが
堰堤《えんてい》のような一線を彼らは知っている。従って彼らは彼らの意志を、神山外....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
ェンコのこの映画にも前の「大地」と同様な静的な画面をつないで行く手法が目につく。
堰堤工事の起重機や汽車の運動は、見ているとめまいを起こすほどであるが、しかしその....
「天災と国防」より 著者:寺田寅彦
量の流水の勢力は少なくも数村を微塵になぎ倒し、多数の犠牲者を出すであろう。水電の
堰堤が破れても同様な犠牲を生じるばかりか、都市は暗やみになり肝心な動力網の源が一....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
農民がいる。 遠大な目的で、白海から黒海を繋ぐ水路としてドニエプル河に発電所と
堰堤《ダム》工事を起した。
堰堤《ダム》は総延長七六六・七五メートルになるであろう....
「坑夫の子」より 著者:葉山嘉樹
午前五時、午前九時、正午十二時、午後三時、午後六時には取入口から水路、発電所、
堰堤と、各所から凄じい発破の轟音が起った。沢庵漬の重石程な岩石の破片が数町離れた....
「流線間諜」より 著者:海野十三
沈黙を破って云った。 「ああ、分るです。これはボゴビ町とラザレフ岬との間に大きな
堰堤を作っているんじゃありませんか」 「その通りだ。海峡の水を止めてしまおうとい....
「海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
のであった。 権兵衛は新港開設の命を請けると、まず浮津川の川尻から海中に向けて
堰堤を築き、港の口に当る処には、木材を立て沙俵を沈めて、防波工事を施すとともに、....
「女坑主」より 著者:夢野久作
じゃ詰まらないと、東京に出る間際になっていい出したんです。序のことにスエズ運河の
堰堤を毀ってしまおうじゃないか。そうしたら何ぼ英国だって堪忍袋の緒を切るに違いな....
「魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
昔の趣を失っていた。 大正十五年、利根郡川田村岩本地先に、関東水力電気会社の大
堰堤が竣成する前までの、利根川の鮎は、姿といい、香気といい、味といい、まことに立....
「利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
と同時に、浅野総一郎は事業欲のために、利根本流の四、五千個の水量を、岩本地先の大
堰堤で締めきり、これを五里下流の真壁村へ運び、大発電所をこしらえた。 これで、....
「鱒の卵」より 著者:佐藤垢石
銚子河口の海から遡ってきた。 大正十五年春に、上越線岩本駅地先へ関東水力電気の
堰堤ができあがると、もうそれからは全く日本鱒の姿が、岩本から上流へは姿を現わさぬ....
「水と骨」より 著者:佐藤垢石
である。でなければ支流の片品川の吹割の滝の下流、岩室付近である。近年、上毛電力の
堰堤が糸の瀬にできて遡れなくはなったが――。この付近の水温は、七月中旬から、八月....
「自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
を静かにゆるめながらこの河へ流して見る、そうして、その繩の流されるその形に従って
堰堤を築けば、堰止めることができる筈ではあるまいか」といって立去ってしまった。な....
「『西遊記』の夢」より 著者:中谷宇吉郎
マイル》の湖になったのであるが、四年目にスタインが訪れた時にも、崩壊した岩屑の大
堰堤《だいえんてい》は、まだ新湖の水面上なお千二百呎をあましていた。そして山塊の....