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「報復〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

報復の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
て柳生《やぎゅう》の道場に入った。十九の年に、免許皆伝を許されると、彼はただちに報復の旅に上ったのである。もし、首尾よく本懐を達して帰れば、一家再興の肝煎《きも....
自叙伝」より 著者:大杉栄
の教頭の話で、もう一つ覚えていることがある。それは、遼東半島還附の勅語の中の、「報復」という言葉の解釈についてであった。その言葉の前後は今は何にも覚えてない。た....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
暗合にすぎまいと思われるのです」 そう云い終ると、にわかに鎮子は、まるで算哲の報復を懼れるような恐怖の色を泛べた。そして、来た時とはまた、うって変った態度で、....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
した。 「あれは訪ねて来た刑事の態度が余り不遜で、非常に侮辱的に考えたから、その報復にあゝ云う手紙を書いたのだ」 「そうか、そういう訳だったのか」 主任は軽く....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
とも」 「ほい、お前にも似合わん、えらく気が大きいじゃないかい」 「博士、わしの報復成るかどうかという瀬戸際なんです。あに真剣にならざるを得んやです」 「そうか....
火薬船」より 著者:海野十三
が船員中のおとなしそうな一人にくれてやった胡瓜の缶詰を、すばやくうばいかえした。報復手段なのである。どっちもまけてはいない。 「あっ、それはおれが貰った缶詰じゃ....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
のだ。 赤城先生は毎日毎日全従業員が検便されていることを知ったが、自分に対する報復の一念からだとは気がつかない。軍医たちの研究熱心がさせる業と思い、それほど研....
遺恨」より 著者:坂口安吾
しい気持にならざるを得ないのである。 女は再びドンブリを投げすてゝ行った。その報復として、舌をかみ切って死んで見せることも出来ないばかりか、待ちかねたようにム....
便乗型の暴力」より 著者:坂口安吾
論とは名ばかりで、根は暴力的な対立にすぎない。 下山事件が起ったときに、左翼の報復だという流説につづいて、左翼の犯行と思わせるための右翼の陰謀だという流説の応....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
に燃えた、その六つの眼を見ているうちに、早苗からは最終の審判を、他の二人からは、報復の色が窺われるのだった。 「そりゃ、分ってるさ。誰も入れないこの室のなかで、....
土の中からの話」より 著者:坂口安吾
が欠けているからで、つまりはそれが農民の類い稀な悲しい定めに対するたくまざる反逆報復の方法でもあったのだろう。なんでも先様次第運命を甘受して、虐げられれば虐げら....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
とは多くの人の為しがたいところである。 だまされたと知ってイキナリ武器をとって報復を志すのは幼児の時はややそうであるが、小学校へ行くころとなれば罪の意識も芽生....
天を怖れよ」より 著者:小川未明
て彼等を裏切ることをなんとも思っていない。それは、自己防衛する術を知らぬ、動物の報復について考えを要せぬからであります。それ故に、僅かに、神の与えた聡明と歯牙に....
特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
事実上彼らの一人が普通民から凌辱をでも受けた場合に、一部落こぞって囂々としてその報復を試みる場合が少くない。しかしながらこれは、彼らが社会の圧迫に対する避け難き....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
実際上糾弾事件が頻繁に突発したからとて、自ら省みてこれに同情こそすれ、衆を恃んで報復的にこれを懲罰しようとするような、そんなひどいことがどうして起りえられましょ....