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報恩
「報恩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
報恩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
義務がある。その責任が重いから……」 「それで断わるとお言いのかい。なんだねえ、
報恩《おんがえし》ができるの、できないのと、そんなことを苦にするおまえさんでもな....
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
た。が、しかし、それは彼の邪推であることが間もなく分かった。 甚兵衛は、一心に
報恩の機会を待った。惣八郎とは、陣中で朝夕《ちょうせき》顔を見合わしたが、惣八郎....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
そこに少しく不釣合いだと思われるような大きい立派な額がかけられて、額には草書で『
報恩額』と筆太にしるしてあった。嘉永|庚戌、七月、山村菱秋書という落款で、半七先....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の衰えないのを護念して、なお枝葉の隆盛に懸念する。もとより神仏を敬する法は、みな
報恩と謝徳とをもってする。これを信心と言う。自分の身に利得を求めようとするのは、....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
はじまった。テッド隊長の胸は、いまにもはりさけんばかりに痛んだ。師サミユル博士に
報恩し、『宇宙の女王』号の乗組員たちに希望を持たせることにはなったが、しかしこの....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
なってしまった。 彼女の実家というのは大阪近在のある貧乏寺だった。するとある時
報恩講が勤まるからといって五、六日暇をとって帰って行った。その不在中こそせいせい....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
て芸者を致すとの物語を聞き、あゝ己は不孝で、二十四歳の折家出をして、両親に聊かも
報恩を致さんで、年はもいかぬ女の身で斯様の処へ這入って芸者を致して居るか、如何に....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
、外はかたきのやうににくみ給ひぬ――本尊問答抄」 清澄山を追われた日蓮は、まず
報恩の初めと、父母を法華経に帰せしめて、父を妙日、母を妙蓮と法号を付し、いよいよ....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
く、そしてまた科学者たちは本来の科学研究を行うのに寧日なく、自己の科学趣味や科学
報恩の意志を延長して科学小説にまで手を伸ばそうという人は皆無だった。 ところが....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
社の蘇民伝説、武塔神やスサノオが蘇民の情誼に報いたという説は、どこにも有りふれた
報恩説話に後世の人がかこつけただけで、ソミン札の原因はそういうものではなく、もっ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
あった。 あとで聞くと、小児心にもあまりの嬉しさに、この一幅の春の海に対して、
報恩の志であったという。一旦出て、浜へ上って、寝た獅子の肩の処へしゃがんでいたが....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
近々。御影堂は立派にお出来申したのに、お中身の開山聖人さまのあの御影像が無くて御
報恩講が勤まりましょうか。お上人さま始め御門徒衆御一同、数ならぬ私どもまで他宗に....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
振舞は賢者に苦痛を与えるでしょう。
しかし善人はまた遣って見るものです。
一毫の
報恩も、善人に大喜をさせて、
万斛の不義理を十分填め合せるでしょう。
わたし共の....
「公園の花と毒蛾」より 著者:小川未明
う思われたのでありました。そして、お祭りというのは、この町にある、ある宗の本山の
報恩講であって、近在から男や、女が出てくるばかりでなく、遠いところからもやってき....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
生の為に尽力し、「善人尚以て往生す、況や悪人をや」を説いている。その唱うる念仏は
報恩謝徳の念仏であって、極楽往生を願う為の念仏ではない。同じ念仏でも、真宗の念仏....