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場違い
「場違い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
場違いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
してるんじゃない。おほほほ……。認識不足だわ」 どうも言っている言葉がいちいち
場違いにチグハグだったが、それよりも、受話器を通すと、ガラガラした声が一層なまな....
「放浪」より 著者:織田作之助
お初にござんす、野郎若輩ながら軒下三寸を借り受けましての仁儀失礼さんにござんすと
場違いの仁儀でわざとらしいはったりを掛けて来た。順平が真蒼になってふるえていると....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
お寺を出て、中ノ院の茶店へはいると、季節はずれの古いレコードが掛っていて、どうも
場違いな感じでしたが、「今日も空には軽気球……」と歌っているその声を聴くともなく....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
ば、そんな時刻、そこには鼠は走り廻っても、猫の子一匹もいない筈だのに、時ならぬ、
場違いの鼾が聴えて来たとすれば、もはや無意味ではあるまい。まして月並みではない。....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
なちょこ伯父が何だい、あんな節のない謡なんか、ただ口を利いてるようだ。東京の謡は
場違いだな、こっちから縁を切る。)と、お久さんの息子さんたちが言っていましたよ。....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
った。権十郎、寿美蔵、新蔵なども今まで新富座に出勤していなかった関係上、なんだか
場違いの俳優のように見られていた。団十郎がこうした門下と家橘や松之助などのあつま....
「材料か料理か」より 著者:北大路魯山人
ろいろある。同じえびでも、本場のえびは大分味が違う。なるほどと思うまでにうまい。
場違いのえびを、いくら巧みに料理しようと工夫しても、本場の手頃のえびにはかなわな....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
。かといって、二十歳や三十歳くらいの青年期では、酢加減がどうの、まぐろの本場物、
場違い物などとみてとれるはずがない。善かれ悪しかれ、なんでもかでもうまく食える。....
「料理メモ」より 著者:北大路魯山人
あなごに、赤貝は一個十五銭以上のものを食え。もともと原料の高価なもの。安いものは
場違いの味のまずいもの。 *えび、玉子焼き、いかなどは問題にするほどでない。女、....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
に取り繕ってあるのです」するとベエコンは「そのような枝葉末節は」と冷淡にいった「
場違いの議論であり、また問題にするにもたりません」いわゆる代作の手紙は無害なもの....
「麺くひ」より 著者:桂三木助
事前に出される軽食と言うと僕は必ず蕎麦を注文します。海の近くなら兎に角、山の中で
場違いの鮪に粉わさびの寿司などを出されるとうんざりして仕舞います。その点、蕎麦は....
「放浪」より 著者:織田作之助
お初にござんす、野郎若輩ながら軒下三寸を借り受けましての仁義失礼さんにござんすと
場違いの仁義でわざとらしいはったりを掛けて来た。順平が真蒼になってふるえていると....
「筍の美味さは第一席」より 著者:北大路魯山人
持ち味の等差というものの甚だしいのに驚く。もとより京阪は本場である。関東のそれは
場違いとしたい。目黒の筍など名ばかりで、なんの旨味もない。京都では、洛西の樫原が....
「家庭料理の話」より 著者:北大路魯山人
世間の人は、自分の身近にある有価値な、美味いものを利用することに無頓着のようだ。 出盛りのさんまより
場違いのたいをご馳走と思い込む、卑しい陋習から抜けきらないところに原因があるよう....
「小ざかな干物の味」より 著者:北大路魯山人
忘れていない。 ところが近頃では、浴客の数に反比例して漁獲量が不足し、ときには
場違いの魚類が加わるのみか、雨天などには、乾燥機がどんどん仕上げるものもあるらし....