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「塁壁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

塁壁の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
「千里の江陵《こうりょう》一日に還るなんと云う句もあるじゃないか」 「一百里程塁壁の間さ」 「そりゃ西郷隆盛だ」 「そうか、どうもおかしいと思ったよ」 甲野....
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
それだからあの旗持は浩さんだ。 黒い塊《かたま》りが敵塁の下まで来たから、もう塁壁を攀《よ》じ上《のぼ》るだろうと思ううち、たちまち長い蛇《へび》の頭はぽつり....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
続く、三回目の惨劇を予告しているのではないか。そうなると、熊城の作り上げた人間の塁壁が、第一どうなってしまうのであろう。ほとんど犯罪の続行を不可能に思わせるほど....
島原の乱」より 著者:菊池寛
た。我軍の力|猶壮んなる今、敵営を襲って、武器糧米を奪うに如くはない。細川の陣は塁壁堅固の上に銃兵多いから、之を討てば味方に死傷が多かろう。有馬、立花の陣は地形....
運命」より 著者:幸田露伴
掌の鳴り難き状を現わしぬ。加うるに南軍は北軍の騎兵の馳突に備うる為に塹濠を掘り、塁壁を作りて営と為すを常としければ、軍兵休息の暇少く、往々|虚しく人力を耗すの憾....
ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
つけた、高い、丈夫な煉瓦塀が、その周囲をぐるりと取りまいていた。この牢獄のような塁壁が私たちの領土の限界になっていたのだった。その外は、一週に三度しか見られなか....
環礁」より 著者:中島敦
は急に熱帯的な相貌を帯びて来た。 海岸から折れて一丁も行かない中に、目指す石の塁壁《るいへき》にぶつかる。鬱蒼《うっそう》たる熱帯樹に蔽《おお》われ苔《こけ》....
三国志」より 著者:吉川英治
。 その昔、いかなる王侯が居を構えていたものか、規模広大な山城であるが、山嶂の塁壁望楼はすべて風化し、わずかに麓門や一道の石階などが、修理されてあるかに見える....
三国志」より 著者:吉川英治
ともいう。 また縞衣は女服である。――との謎を解くならば、挑めども応ぜず、ただ塁壁を堅くして、少しも出て来ない仲達は、あたかも羞恥を深く蔵して、ひたすら外気を....