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「塞ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

塞ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
仲間でもなく、ごろつき仲間でもなく、ひょっとすると例の屋敷の連中が秘密露顕の口を塞ぐために、急所の当身《あてみ》でも喰わせたかも知れません。まあ、大体のお話はこ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
撲取りが柳の繁っている堤を通るところへ、川の中から河童が飛び出して、その行く先を塞ぐように両手をひろげている絵看板が懸けてあった。 その頃の向う両国にはお化け....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
して、お前はお前の寄木細工を造り始めるのだ。そしてお前は一面に、悪魔でさえが眼を塞ぐような醜い賤しい思いをいだきながら、人の眼につく所では、しらじらしくも自分で....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
るという下心であったらしく、先ずそれまでは小普請に這入って、やかましい世間の口を塞ぐ積りで、自分から進んで無役のお仲間入りをしたのでしょう。それについても定めて....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
対する挑戦の意味もあるだろうが」 「莫迦な」熊城は憤懣の気を罩めて叫んだ。「口を塞ぐよりも針を立てよ――じゃないか。見え透いた犯人の自衛策なんだ。易介が共犯者で....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かれに口止め料をあたえて秘密を守る約束を固めて置いたが、広い世間の口をことごとく塞ぐわけには行かなかった。ましてその伜の安吉がそれを知らない筈がなかった。かれは....
薬草取」より 著者:泉鏡花
に手を掛けて、川幅三十|間ばかりを小半時、幾度もはっと思っちゃ、危さに自然に目を塞ぐ。その目を開ける時、もし、あの丈の伸びた菜種の花が断崕の巌越に、ばらばら見え....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
吐きながら、莞爾としたらどうしょう。 そう思うと寝苦しい、何にも見まい、と目を塞ぐ、と塞ぐ後から、睫がぱちぱちと音がしそうに開いてしまうのは、心が冴えて寝られ....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
んな物置小屋みたような所にも居られんで移転なりどうなりするだろう。そしたら彼所を塞ぐことにして今は唯だ何にも言わんで知らん顔を仕てる、お徳も決してお源さんに炭の....
黒百合」より 著者:泉鏡花
物が先刻のごとく足を取られたと思ったろう。幼いものは、驚破というと自分の目を先に塞ぐのであるから、敵の動静はよくも認めず、血迷ってただ燥ぐ。 左右を※して、叱....
月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
って人夫が二十人以上も要ったのでしょう。」 「そうさ。しかしお前は今あしこの穴を塞ぐ時にあんな大きな石をコロコロ転がしていたじゃないか。空気のない処じゃ石でも羽....
書記官」より 著者:川上眉山
からいい。 はて恐いな。お前に恨まれたらば眠くなって来た。と善平はそのまま目を塞ぐ。あれお休みなさってはいやですよ。私は淋しくっていけませんよ。と光代は進み寄....
決闘場」より 著者:岡本かの子
み渡った中天の空気へ鮮やかな濃緑色を浮游させて居る。立ち並ぶそれらの大樹の根本を塞ぐ灌木の茂みを、くぐりくぐってあちらこちらに栗鼠や白|雉子が怪訝な顔を現わす。....
誓之巻」より 著者:泉鏡花
るんですよ。酷いじゃありませんか。それでいて痰がこう咽喉へからみついてて、呼吸を塞ぐんですから、今じゃ、ものもよくは言えないんでね、私に話をして聞かしてと始終そ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
八口を溢れる紅、褄、帯揚の工合などに、うっかりとも目の留まらぬよう、仰向いて眼を塞ぐのが、因習の久しき、終に性質となったのである。もっとも有数の秀才で、およそ年....