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塩水
「塩水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塩水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
、一言も口をきかずに、自分はその薬屋から出て、よろめいてアパートに帰り、ヨシ子に
塩水を作らせて飲み、黙って寝て、翌る日も、風邪気味だと嘘をついて一日一ぱい寝て、....
「世相」より 著者:織田作之助
思わず噴き出そうとした途端、げっと反吐がこみあげて来た。あわてて口を押え、 「食
塩水……」をくれと情ない声を出すと、はいと飲まされたのは、ジンソーダだ。あっとし....
「海異記」より 著者:泉鏡花
へ出て一つ暴風雨と来るか、がちゃめちゃの真暗やみで、浪だか滝だか分らねえ、真水と
塩水をちゃんぽんにがぶりと遣っちゃ、あみの塩からをぺろぺろとお茶の子で、鼻唄を唄....
「家」より 著者:島崎藤村
樹を驚かした。三吉は何か思い当ることが有るかして、すこし眉を顰めた。流許の方から
塩水を造って持って来て、それを妻に宛行った。 その晩は、お雪はお福と一緒に蚊帳....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
底に這い込み、石炭がすでに真黒になって、油の様にとろりと腐敗したままに溜って居る
塩水の中に、身体を半分浸しながら、かんかんと鉄※を敲き落すのである。隣近所でおろ....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
水の出ないことは、三つの井戸で、わかりました。つまり、海面とすれすれになるから、
塩水が出るのでしょう。浅い方が、いいのではありませんか」 すると、漁業長が思い....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
白っぽい、どんよりとした光の中で、海鳥が狂おしげに鳴き叫んでいたが、やがて、血が
塩水にまじって沖に引き去られてしまうと、浜辺はふたたび旧の静寂にもどった。 そ....
「山の春」より 著者:高村光太郎
熱すぎない湯に一晩つけて、にがみをとり、あげて洗って、今度は一度煮立ててさました
塩水につけこみ、軽い重しをして、水からワラビの出ないように気をつける。もう一度塩....
「髭の謎」より 著者:小酒井不木
は、血痕の中の赤血球の形を検べても分かりますが、それよりも確かな方法は、血痕を食
塩水にとかしてそれと「沈澱素」というものを混ぜ合わせ沈澱が起こるか否かを見るので....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
の出来ないその水は、地下水でもなければ、瓦斯液でもない。それは至極平凡な、ただの
塩水であった。 「失敗った!」 最初の海の訪れを口にした係長は、思わず顫え声で....
「蜻蛉返り」より 著者:佐藤垢石
しに干して、焼いて食べると、甚だいける。まず、鰡を腹の方から開いて、骨付きのまま
塩水に漬け、翌朝
塩水からあげて一旦真水で洗い、これを干すと美しい艶に干しあがるの....
「アメリカの牛豚」より 著者:北大路魯山人
の二くらい)の料理を売り物にしています。 水族館のように、ガラスのケースの中に
塩水を満たし、それがロブスターの生簀というわけです。客はガラス越しに見て、好きな....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
く呆然としていたらしいが、やがて海水を手ですくって、ぼくの口にのませてくれた。食
塩水が止血に効くことを知っていたのだろう。綺麗な手だった。しなやかで色が白かった....
「俗臭」より 著者:織田作之助
倍や。祝儀もいる」以下云々。 伝三郎が呑み過ぎて胸が苦しいといったので、初乃は
塩水を取りに行った。この家の台所の勝手は詳しい。時々手伝わされたことがあるのだ。....
「洗いづくりの世界」より 著者:北大路魯山人
せたのと丸々太ったのとあるが、必ず後者を選ぶべきだ。東京の魚河岸には毎朝まだいを
塩水に泳がせて、大いにその溌剌たる姿を見せている。百匁以上一貫五百匁ぐらいまでの....