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塩湯
「塩湯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塩湯の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
は足の先が氷で包まれたほど感覚を失っているのを覚えた。倉地の浴したあとで、熱めな
塩湯にゆっくり浸ったのでようやく人心地《ひとごこち》がついて戻《もど》って来た時....
「海水浴」より 著者:寺田寅彦
明治十四年の夏、当時名古屋鎮台につとめていた父に連れられて知多郡の海岸の大野とかいうところへ「
塩湯治」に行った。そのとき数え年の四歳であったはずだから、ほとんど何事も記憶らし....
「箱根熱海バス紀行」より 著者:寺田寅彦
うな脳貧血症状を起こしたものである。やっと熱海の宿に着いて暈の治りかけた頃にあの
塩湯に入るとまたもう一遍軽い嘔気を催したように記憶している。 無闇に井戸を掘っ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
いので家人も億劫がっていたところ、西岡という若い未亡人が来て、自分の遣らせている
塩湯はどうだろうと勧めてくれた。家人のためには渡りに船であった。
塩湯というの....
「日記」より 著者:宮本百合子
したのか、若しコントロールのためにそうなったとすれば、自分にも大半の責任がある。
塩湯をわかし三度も入る。もし明日も工合がわるかったら、慶応で見て貰うようにと思う....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
きゃあらきゃあらと若い奴、蜩の化けた声を出す。 「真桑、李を噛るなら、あとで
塩湯を飲みなよ。――うんにゃ飲みなよ。大金のかかった身体だ。」 と大爺は大王の....
「木曽御嶽の両面」より 著者:吉江喬松
れ。」持って来たのは御飯といっても砂だらけ、御汁といっても煤臭いようで、おまけに
塩湯でも飲むようだ。山菜とかいって野生の菜を汁の味にしたものである。その飯はざら....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
ら煮るとも焼くともしなければならん。あるいはそぼろ料理のような小さく切ったものは
塩湯で湯煮て油で炒《い》りつけてそれから二時間も煮抜くのだ。生肉を直ぐに煮るよう....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
おくべつ》があります、譬《たと》えば同じスープにしても普通の西洋料理屋のスープは
塩湯を飲むようで味も何もありません。それは何故《なぜ》そんなに不味《まず》いかと....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
すから興奮の効が多いそうです。脳味噌はトントお豆腐のように柔いものでそれをザット
塩湯煮《しおゆで》にして薄い膜を剥《は》ぎまして薄く切ります。それへ塩胡椒してメ....