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塵
「塵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
》、双眼鏡《そうがんきょう》、廓大鏡《かくだいきょう》、顕微鏡《けんびきょう》、
塵除《ちりよ》け目金《めがね》などの並んだ中に西洋人の人形《にんぎょう》の首が一....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
》のように、静かながら慕わしい、安らかな寂滅《じゃくめつ》の意識であった。一切の
塵労《じんろう》を脱して、その「死」の中に眠ることが出来たならば――無心の子供の....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
住居《すまい》のある所は、巨鹿城《ころくじょう》に近い廓町《くるわまち》の最も俗
塵に遠い一区劃だった。殊に私の起臥《きが》していた書院造りの八畳は、日当りこそ悪....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
おうどうもの》を、目に見えぬ剣《つるぎ》で打たせ給うた。まだしも頭《かしら》が微
塵に砕けて、都大路《みやこおおじ》に血をあやさなんだのが、時にとっての仕合せと云....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
道の両側《りょうがわ》はいつのまにか、ごみごみした町家《ちょうか》に変っている。
塵埃《ちりぼこ》りにまみれた飾《かざ》り窓と広告の剥《は》げた電柱と、――市と云....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
そせつしょうかん》、北清《ほくしん》見聞録、長江《ちょうこう》十年、観光紀游、征
塵録《せいじんろく》、満洲、巴蜀《はしょく》、湖南《こなん》、漢口《かんこう》、....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
くに従って、川の水は、著しく暖潮の深藍色《しんらんしょく》を交えながら、騒音と煙
塵《えんじん》とにみちた空気の下に、白くただれた目をぎらぎらとブリキのように反射....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、幸《さいわい》それは狙《ねら》いが外《そ》れて、彼の足もとへ落ちると共に、粉微
塵《こなみじん》に砕けてしまった。彼は太刀打を続けながら、猛《たけ》り立った眼を....
「少年」より 著者:芥川竜之介
出来ないのに違いない。が、とにかく保吉は三十年後の今日《こんにち》さえ、しみじみ
塵労《じんろう》に疲れた時にはこの永久に帰って来ないヴェネチアの少女を思い出して....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ばまた髪は空《そら》ざまに生《お》い上《あが》りて白髪《はくはつ》多し。よろずの
塵《ちり》や藻屑《もくず》のつきたれども打ち払わず。頸《くび》細くして腹大きに脹....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
脚の興奮したのはこう言うためだったと確信している。――
当日は烈《はげ》しい黄
塵《こうじん》だった。黄
塵とは蒙古《もうこ》の春風《しゅんぷう》の北京《ペキン》....
「運」より 著者:芥川竜之介
かひょうきんな所のある老人で、顔つきにも容子《ようす》にも、悪気らしいものは、微
塵《みじん》もない。着ているのは、麻《あさ》の帷子《かたびら》であろう。それに萎....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
ある。――石をも焦がすようなエルサレムの日の光の中に、濛々と立騰《たちのぼ》る砂
塵《さじん》をあびせて、ヨセフは眼に涙を浮べながら、腕の子供をいつか妻に抱《だ》....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
然何の理由もないのに、その時の彼を思い出す事がある。全然何の理由もないのに?――
塵労に疲れた彼の前には今でもやはりその時のように、薄暗い藪や坂のある路が、細細と一すじ断続している。…………....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
た毎週一日は器械の掃除日とし、一ヶ月に一度はガラス箱の内にある器械の掃除をもして
塵をとること。」というのであった。 しかしファラデーは、かような小使風の仕事を....