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墅
「墅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
墅の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
連山の中の唯有る小山を攀じて百草園に来た。もと松蓮寺の寺跡で、今は横浜の某氏が別
墅になって居る。境内に草葺の茶屋があって、料理宿泊も出来る。茶屋からまた一段|堆....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
れ、医師が勧むるまましかるべき看護婦を添えて浪子を相州逗子なる実家――片岡家の別
墅に送りやりぬ。肺結核! 茫々たる野原にただひとり立つ旅客の、頭上に迫り来る夕立....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
外隔絶、挙族愁歎した時、その犬の背に布嚢と書簡を付け水門を潜らせ出すと、犬その別
墅《べっしょ》に至り吠ゆる声を聞きて留守番が書簡を取り読み米を負うて還らしむ。数....
「雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
ズのために不意打ちをくらった世間が例のように無遠慮に無作法にあのボーアの静かな別
墅を襲撃して、カメラを向けたり、書斎の敷物をマグネシウムの灰で汚したり、美しい芝....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
がえったローマ平野の中には、草の波と揚々たる罌粟《けし》の炎とがうねっていた。別
墅《べっしょ》の芝生《しばふ》の上には、紫のアネモネの小川と菫《すみれ》の池とが....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
かった。それはただ森の中の一村落にすぎなかった。ただそこここに二三の近世ふうな別
墅《べっしょ》などがあって、その堂々たる構えや、よじれた鉄欄のついてる露台や、閉....
「四十八人目」より 著者:森田草平
して、七月二十八日、京、伏見、山科、大阪、赤穂などに散在する同志と円山重阿弥の別
墅に会合した上、いよいよ仇討決行の旨を宣言した。そして、自分も十月の末には江戸へ....
「怪しの者」より 著者:国枝史郎
れましたが、その中に、平塚刑部様という、御用人があり、生前に建てた庄内川近くの別
墅へ、ひどく執着を持ち、お手討ちになってからも、その別
墅へ夜な夜な姿を現わされる....
「経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
上ではほとんどなく、またはそれ以上では全くない。ある大都市の近郊における田舎の別
墅《べっしょ》にあっては、それは時に大いにより高く、そしてその特殊の便益または地....
「曙覧の歌」より 著者:正岡子規
》を倒《さかしま》にしたるの感あり。ことに第四句力弱し。 狛君《こまぎみ》の別
墅《べっしょ》二楽亭 広き水真砂のつらに見る庭のながめを曳《ひき》て山も連なる....
「向嶋」より 著者:永井荷風
『新撰東京名所図会』に説かれている。 林述斎が隅田川の風景を愛して橋場の辺に別
墅《べっしょ》を築きこれを鴎※《おうそう》と命名したのは文化六年である。その詩集....