墓地[語句情報] »
墓地
「墓地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
墓地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
で電車を下り、注連飾《しめかざ》りの店など出来た町を雑司《ぞうし》ヶ|谷《や》の
墓地へ歩いて行った。
大銀杏《おおいちょう》の葉の落ち尽した
墓地は不相変《あい....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
た。
――これもまだ小学校にいた時分、彼は一人母につれられて、谷中《やなか》の
墓地へ墓参りに行った。
墓地の松や生垣《いけがき》の中には、辛夷《こぶし》の花が白....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
ばした一株の赤松も変らなかった。
「点鬼簿」に加えた三人は皆この谷中《やなか》の
墓地の隅に、――しかも同じ石塔の下に彼等の骨を埋《うず》めている。僕はこの墓の下....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
き着いたのは国道を十町も倶知安《くっちゃん》の方に来た左手の岡の上にある村の共同
墓地だった。そこの上からは松川農場を一面に見渡して、ルベシベ、ニセコアンの連山も....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
根の常夏の花、朝涼だから萎むまいと、朝顔を添えた女の志を取り受けて、築地本願寺の
墓地へ詣でて、夏の草葉の茂りにも、樒のうらがれを見た覚えがある…… ……とばか....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
は互いに愛し合っていながらも、かれらの心はおのずから楽しまず、さながら荒れ果てた
墓地に根をおろしているサイプレスの木が、寥寂たる夕暮れにその頂きを徒らに天へとど....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
けるのを常としていた)そのうちに僕は縁起の好い緑いろの車を見つけ、とにかく青山の
墓地に近い精神病院へ出かけることにした。 「イライラする、――tantalizi....
「赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
。けれども、よるなどは、ずいぶん、こわい思いをしました。 カレンはがらんとした
墓地のなかへ、踊りながらはいっていきました。そこでは死んだ人は踊りませんでした。....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
これだけであてもなしに世の中へ出て行こうというのです。いよいよ出かけるまえ、まず
墓地へいって、おとうさんのお墓におまいりして、主のお祈をとなえてから、こういいま....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
まえさんが眠っているほら穴のぐるりにもたくさん生えているのだよ。その草と、お寺の
墓地に生えているイラクサだけがいまおまえさんの役に立つのだからね。それは、おまえ....
「墓」より 著者:秋田滋
一八八三年七月十七日、草木もねむる真夜なかの二時半のことである。ベジエ
墓地のはずれに建っている小さなほったて小屋に寐起きをしている墓番は、台所のなかへ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
て、西向きの室から外を眺めつつ日を暮らし、終に眠るがごとくにこの世を去り、静かに
墓地に葬られた頃になると、落涙を禁じ得ない。 前編に大体の伝記を述べて、後編に....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のがあり、彼らが比較検討したうえで言明するところでは、この騎士の死体はこの教会の
墓地に埋葬されているが、その亡霊は夜な夜なもとの戦場に馬を駆り、頭をさがすのであ....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
う。 ああ、いや、白い蛇であろう。 その桃に向って、行きざまに、ふと見ると、
墓地の上に、妙見宮の棟の見ゆる山へ続く森の裏は、山際から崕上を彩って――はじめて....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
しろ禿だった。)この寺は――慈眼寺という日蓮宗の寺は、震災よりも何年か前に染井の
墓地のあたりに移転している。かれ等の墓も寺と一しょに定めし同じ土地に移転している....