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墓所
「墓所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
墓所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
んぶん》十一年の正月、雲州《うんしゅう》松江《まつえ》祥光院《しょうこういん》の
墓所《はかしょ》には、四基《しき》の石塔が建てられた。施主は緊《かた》く秘したと....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
言ってね。 乗ってさ。出る、ともう、そこらで梟の声がする。寂寥とした森の下を、
墓所に附いて、薄暮合いに蹴込が真赤で、晃々輪が高く廻った、と思うと、早や坂だ。―....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
るのも厭うように、スタスタと足早に立ち去った。園内の反対の側に遺されたる藤堂家の
墓所があった。そこは鬱蒼たる森林に囲まれ、厚い苔のむした真に静かな場所だった。彼....
「古狢」より 著者:泉鏡花
、おかみさんに聞いて許しを得て。……で、おも屋に引返したあとを、お町がいう処の、
墓所の白張のような提灯を枝にかけて、しばらく待った。その薄い灯で、今度は、蕈が化....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
白い雲、青い雲、紫の雲は何様でしょう。鬼子母神様は紅い雲のように思われますね。」
墓所は直近いのに、面影を遥かに偲んで、母親を想うか、お米は恍惚して云った。 ―....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
す。 私も、その頃|阿母に別れました。今じゃ父親も居らんのですが、しかしまあ、
墓所を知っているだけでも、あなたより増かも知れん。 そうですか。」 また歎息....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
。 「ぼろきてほうこう。ぼろきてほうこう。」 昼も梟が鳴交わした。 この寺の
墓所に、京の友禅とか、江戸の俳優|某とか、墓があるよし、人伝に聞いたので、それを....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
僧ともいわず、すぐに下駄ばきで卵塔場へ出向わるる。 かあかあと、鴉が鳴く。……
墓所は日陰である。苔に惑い、露に辷って、樹島がやや慌しかったのは、余り身軽に和尚....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ぬさきの世を思った。 寺の門には、樹立のもみじに、ほかほか真赤に日が射したが、
墓所は湿って暗い。線香の煙の、五条、むら生える枯尾花に靡く時、またぽつりぽつりと....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
に、偏にこれは御承認を願いたい。 山の上の墓地にして、まばらな松がおのずから、
墓所々々の劃になる。……一個所、小高い丘の下に、蓑で伏せて、蓑の乱れたような、草....
「迷信解」より 著者:井上円了
ね、あるいは御鬮を引きなどして探索するうちに、ある人より、四谷大木戸の先なる寺の
墓所に死人ありと告ぐるゆえ、家族の者すぐさま四谷に行きしところ、もはや検死相済み....
「活人形」より 著者:泉鏡花
横須賀の探偵だ。」 遁げると見せかけ八蔵は遠くも走らず取って返し、裏手へ廻って
墓所に入り、下枝が臥したる部室の前に、忍んで様子を窺えり。 横須賀の探偵に早替....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
前には必ず花屋と石屋あり。東京の谷中に異ならず。親戚、朋友ときどき埋葬場を訪い、
墓所を掃除し花を献ずる等、またわが国の風習に異ならず。 埋葬場の中央に寺院あり....
「西航日録」より 著者:井上円了
に入り、数日間これに寓し、もって新年を迎えたり。二十九日早朝、パーシー(火教徒)
墓所を一覧す。この宗派は死体を鳥に食せしむる慣習なり。三十日休息し、三十一日、ビ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。はじめに市街の諸店を通覧し、つぎに五百羅漢、道教寺院、仏教寺院、陳氏祖廟、富豪
墓所等を一巡し、丘上なる鎮海楼(五層楼)上にのぼりて休憩し、小餐を喫す。楼上にあ....